北欧の誇り高き小さな家具屋の店主と、世界最大の家具販売店イケアの創業者。すべてを失った男と、すべてを手に入れようとする時代の寵児。二
人の出会いが、“幸せ”の化学反応を引き起こすー。現在も存命するイケアの創業者を誘拐するという仰天の物語を描いたヒューマンドラマ『ハロ
ルドが笑う その日まで』が4月16日(土)より、YEBISU GARDEN CINEMAほかにて公開となります。

本作は“北欧家具”を生涯の生業としながらも、まったく異なる人生をたどってきた人物たちの交流をユーモラスに描いたハートウォーミングドラ
マ。ノルウェーで40年にわたり、クオリティの高くい、温もりを感じる家具にこだわり続けてきたハロルド。しかし、ある日、彼が営む小さな家具
店の目の前に、イケアの北欧最大規模の店舗がオープンし、状況は一変。閉店に追い込まれ、最愛の妻も失い、自暴自棄になったハロルドはイケア
の創業者であるイングヴァル・カンプラードへの復讐を決意!スウェーデン、エルムフルトを目指すといった物語。

映画は、ハロルドがイケア創業者イングヴァル・カンプラードの誘拐を計画し、偶然にも成功することから始まる珍道中を描いている。日本で20
09年に公開された、年金だけでは暮らしていけない老人エミルが、妻のため幸せのために、強盗を繰り返す中で、観る者に“幸せとは何か?”を
考えさせてくれるハートウォーミングストーリー『人生に乾杯!』が大ヒットした。この2作に共通するのは何か?それは強い信念を持ったおじい
ちゃんの“無茶”が描かれている点。周りからみればその“無茶”があり得なさすぎて笑ってしまうところだが、本人たちが真剣なのだから、その
姿や行動は余計に可笑しくそしてどこか微笑ましいほっこりした気持ちにさせてくれる。『人生に乾杯!』を楽しめた人はきっと本作のハロルドの
奮闘ぶりも楽しめるはず。
その他にも『100歳の華麗なる冒険』や『ラスト・ベガス』など、おじいちゃんが無茶する映画にハズレなし!
『ハロルドが笑う その日まで』は、それぞれの哲学は正反対でも、自分の仕事に誇りを持って生きてきたハロルドとカンプラードの交流を描いて
おり、北欧映画ならではのシニカルさとウィットに富みつつ、心が温かくなる内容に仕上がっている。

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執筆者

Yasuhiro Togawa