映画史に残る名作『木靴の樹』37年ぶりの日本公開も大きく注目されたイタリアの名匠エルマンノ・オルミ監督の最新作『緑はよみがえる』が、4月23日より岩波ホールで封切りとなりました。

この映画は83歳になったオルミ監督が、亡き父への想いを込めて完成させた特別な作品。

監督の父が若くして従軍した第一次世界大戦の経験をもとにしており、監督は「父はヒロイズムに駆られて19歳で、第一次大戦に従軍しましたが、過酷な戦場での体験はその後の父の人生を変えてしまいました。戦友を思い、父が涙するのを見たのは一度きりではありません」と語っている。

実の娘エリザベッタがプロデューサー、実の息子ファビオが撮影監督を務め、まさにオルミ一家が、父の記憶を後の世代に語り継ごうとした作品だ。

このたび、岩波ホール(東京・神保町)はじめ全国の『緑はよみがえる』上映館では、この映画を若い世代にぜひ見て欲しいと、学生券でご入場の方に無料でのスチューデント・ガイドを配布。戦争はいつの時代でも同じ顔を持っているが、100年前のイタリアでの戦線ということで、日本の若者には遠い話に思えるかもしれないので、ガイドでは背景や監督のメッセージをわかりやすく紹介。たくさんのイタリアの若者が動員された戦争を身近にイメージできる内容だ。また岩波ホールでは、学生の方には、毎日最終回割引(1500円→1200円)も行っている。

今夏の「18歳選挙権」の施行、学生による緊急アクション「SEALDs」の活動など、若い世代にいま高まっている<戦争を知ること>。『緑はよみがえる』が一人でも多くの若者に見られることを願っています。

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執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa