サンパウロ最大のスラム街、エリオポリス。明日の暮らしさえ保証されないこの街で、運命に立ち向かうために、子供たちが手にしたのは“ラップ”でも“ヒップホップ”でもなく、クラシック音楽だったーーー。世界的名指揮者ズービン・メータとも共演し、まさに“奇跡のオーケストラ”と言われる、実在する若者たちのオーケストラ「エリオポリス交響楽団」誕生時のエピソードをもとに生まれた本作は、ロカルノ国際映画祭を皮切りに、世界に喝采の輪を広げている感動作。

モーツァルト、シューマン、ブラームス、パガニーニ、バッハ、ラフマニノフ、ヴィヴァルディ、チャイコフキー、パッヘルベルなどクラシックの作曲家の名曲の数々が流れ、ブラジルの名門サンパウロ交響楽団も登場、さらにクリオーロ、ハッピン・ウッヂ、サボタージといったブラジル音楽も融合した本作に、この度、第一線で活躍する日本の音楽家からコメントが到着した。

まずは昨年秋、大人気長寿番組「題名のない音楽会」の6代目司会者に最年少で就任した五嶋龍。7歳でのコンサートデビュー以降、世界各地のオーケストラと共演している誰もが認める天才ヴァイオリニストだ。
昨年は日本ブラジル外交関係樹立120周年事業の一貫として「五嶋龍とブラジルのオーケストラコンサート」をブラジル各地で開催、ブラジルのオーケストラとも共演している五嶋は「主人公を僕、君、にした時、映画は現実になる。」とコメントを寄せた。これだけの人気を誇るヴァイオリニストなのに、何と映画にコメントをよせるのは本作が初めて。
いかに映画が胸に響いたのかが想像できる。
他にも、ヴァイオリニストの千住真理子、同じく川井郁子、ジャズシンガーの綾戸智恵ら錚々たる音楽家から「胸が熱くなった」「世界中の人に見てもらいたい」「この感動!」と熱いコメントが寄せられた。
ジャンルを問わず、音楽を愛する人なら間違いなく感動する本作、ぜひ劇場でその魅力を体感して欲しい。

◎コメント全文
この映画は、音楽があたかもExitを見出す錯覚を、
絶対的貧困世界から、贅沢に疲弊した私達に投げかける。
主人公を僕、君、にした時、映画は現実になる。
五嶋龍(ヴァイオリニスト)

過酷なスラム街に生きる子供達。ヴァイオリンを手にした子の輝く瞳が忘れられない。
バッハやブラームスに、彼等は心満たされ、聖く愛に溢れた集いに私の胸は熱くなった。
千住真理子(ヴィオリニスト)

聴き慣れたはずの名曲達が、これまでに無い深さで心に響いてきます。
国境、人種、年代を越えて、世界中の人に観てもらいたい…と思う映画です。
川井郁子(ヴァイオリニスト/作曲家)

映画は色々、アクション、コメディー、SF、ミュージカル?これはザ・メッセージやで!
生きる事への気づきとは。先生と子供らが育つには、この感動が原動力や!
綾戸智恵(ジャズシンガー)

クラシック音楽とスラムの喧騒が壮大なメロディを奏でる。
variety
音楽の力で明日は変えられる—、そう信じたくなる一作。
SCREEN DAILY
子供たちが奏でる美しく瑞々しい旋律が、 観る者すべてに生きる希望と喜びを与える。
Coisa de Cinéfilo
ブラジルが驚きと感動で沸いた、最高の一本!
omelete

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執筆者

Yasuhiro Togawa