5月22日に閉幕を迎えた第69回カンヌ国際映画祭で、グザヴィエ・ドラン最新作『It’s Only The End Of The World(原題)』がグランプリを受賞いたしました! 

「若き美しき天才」と称され、映画界の大注目を集め続ける27歳、次世代監督No.1との呼び声も高いグザヴィエ・ドラン。
前作『Mommy/マミー』の審査員特別賞受賞、前々作『わたしはロランス』でのある視点部門女優賞受賞に続き、3作連続となるカンヌ映画祭での受賞で、世界中の映画人からグザヴィエ・ドランが再び熱い注目を集めています。

本作『It’s Only The End Of The World(原題)』のキャストには、マリオン・コティアールの他に、007シリーズ最新作『スペクター』で歴代最高のボンドガールとして実力と人気が急上昇したレア・セドゥ、『イブ・サンローラン』での演技の評価が世界的に高いギャスパー・ウリエルを中心に、ヴァンサン・カッセル、ナタリー・バイら、フランス映画界のベテラン俳優が集結。

劇作家ジャン=リュック・ラガルスの舞台劇「まさに世界の終わり」(れんが書房新社刊)を基にし、ドランが監督・脚本を手がけた物語は、長い間帰郷していなかった若手の作家が、
12年ぶりに故郷に帰り、家族に自身の死が近づいていることを告白することで表面化する、
家族の葛藤、そして愛、それぞれの生と死を描く瞑想的なものがたりです。

20日、コンペティション部門にて公式上映され、7分間にわたるスタンディングオベーションを受けるなど、カンヌの寵児といわれるドランが、再びカンヌに熱烈歓迎を受けました。

ドランは授賞式のスピーチで「この作品のエモーションを理解してくれてありがとう、とお礼を言いたいです。
個人の感情をほかの誰かと共有することは、簡単なことではありません。
僕たちがこの世で求める唯一のことは、愛し、愛されることです。
特に僕は、愛されたい欲求が強いのだと思います。
自分が成長し、演出を追求するにつれ、理解されることが難しくなったように感じていました。
でも、今日、僕は自分がなにものなのか?をようやく理解できました」と涙ながらに喜びを語りました。

本作で主人公の妹役を演じたフランスの女優、
レァ・セドゥは自身のインスタグラム(@leaseydoux_geniuine)で、
「おめでとう!グザヴィエ!この美しい映画の一員でいられて、本当に誇りに思います。愛をありがとう。
ギャスパー、マリオン、ヴァンサン、ナタリー、みんな私の映画の家族よ!」と喜びのコメント。
また、次回作「THE DEATH AND LIFE OF JOHN. F. DONOVAN」で主演のオスカー女優、
ジェシカ・チャステインも自身のインスタグラム(@chastainac)で、
「グランプリ、おめでとう!グザヴィエ!あなたは一生、私の誇りよ。」とコメント、ドランの才能を称えました。

本作は同映画祭で、人間性の内面を豊かに描いた作品に与えられるエキュメニカル審査員賞も受賞しました。

『マイ・マザー』、『胸騒ぎの恋人』で鮮烈なデビューを飾り、『わたしはロランス』、『トム・アット・ザ・ファーム』と
デビュー以来全作品がカンヌ映画祭やベネチア映画祭に出品され、一躍時代の寵児となったグザヴィエ・ドラン。
前作『Mommy/マミー』は2014年、カンヌ国際映画祭で83歳のジャン=リュック・ゴダールと並んで審査員特別賞をW受賞。
世界中の映画人の心を動かした授賞式での感動的なスピーチは、大きな話題となった。
2015年には、シンガーソング ライター・アデルの楽曲『Hello』のミュージックビデオをアデル本人からのオファーで監督、
2015年11月の公開以降すでに15億回も再生される驚異的なヒットMVとなり)話題を集める。
2016年には、その美しい容姿からルイ・ヴィトンのアンバサダーとして
ワールドワイドの広告キャラクターにドラン自身が起用されるなど、
映画界のみならず多方面で活躍。ドランの快進撃はとどまることを知りません!!

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執筆者

Yasuhiro Togawa