中世、英国〜ペルシア 壮大なスケール
不朽の名作『アラビアのロレンス』を彷彿 砂漠スペクタクルシーン!

アドベンチャー大作「千年医師物語〜ペルシアの彼方へ〜」を、新春、有楽町スバル座ほか全国公開することが決定いたしました。医師・鎌田實さんの絶賛コメント入りのポスタービジュアルも完成しました。

壮大!とにかく面白い。
ハラハラ、ドキドキ、ワクワク。
こんな面白い医学冒険映画を観たのは初めて。
心がジーンとあったかくなった、心が揺さぶられた、
すごい映画だ。

医師・作家 鎌田 實

11世紀のイングランド。まだあどけなくも炭鉱での重労働に従事する少年ロブが、最愛の母親の死という悲劇に見舞われた。幼い弟と妹が親戚に引き取られ、一文無しで独りぼっちになった彼は、旅回りの理容外科医のもとに身を寄せる。やがて無鉄砲なまでに情熱的な若者に成長したロブは、あらゆる病気から人々の命を救うという理想を追い求め、未知なる異国ペルシアのイスファハンへの旅立ちを決意。しかしドーバー海峡をフランスへ渡り、エジプトから陸路でイスファハンをめざす遠大な道程は、途方もない苦難に満ちていた。砂漠の死地を越え、ついに現地にたどり着いたロブは、世界最高の医師と呼ばれるイブン・シーナへの弟子入りを果たし、さまざまな知識を貪欲に吸収していく。恐るべき黒死病との闘いなど幾多の試練を経験し、さらなる医学の謎を解明しようと勇み立ったロブは、師匠の教えに背いて禁断の行為に手を染めてしまうのだった……。

 ドイツ映画界が総力を挙げ、ヨーロッパ作品としては破格の製作費3600万ドルを投じて完成。興行収入50億円突破の大ヒットを記録した中世のヨーロッパとペルシアを舞台に繰り広げられるアドベンチャー大作である。原作は、世界中で2100万部以上の累計売り上げを記録したノア・ゴードンのベストセラー・トリロジー小説「千年医師物語」の第1部「ペルシアの彼方へ」。11世紀には不治の病と見なされていた虫垂炎によって母親の命を奪われた少年ロブ・コールが、その痛切なトラウマを飽くなき探究心に変え、険しい医学の道を究めていく姿を映し出す。

 この医学をモチーフにした壮大なスケールの冒険物語は、戦争や疫病が庶民を苦しめた中世における西洋と東洋の文化、生活様式をきめ細やかにスクリーンに再現。ひとりの若者の波乱に満ちた成長ドラマを軸に、宗教や哲学のエッセンスをも織り交ぜた映像世界は、絶え間なく雄大なスリルとロマンをかき立てるとともに、大人の知的好奇心を刺激してやまない。1本の長編に収めるのは不可能とも言われたほど中身の濃い原作小説の映画化を、見事に成し遂げた歴史エンターテインメントなのだ。

イングランドから海や砂漠を越えてペルシアへと旅し、クリスチャンでありながらユダヤ人に成りすまして医学の修得に執念を燃やす青年ロブの物語には、イスラム世界が生んだ最高の知識人と語り継がれるイブン・シーナも登場する。実在の偉人シーナは博学の医師、科学者、哲学者であり、彼が残した大著「医学典範」などの業績は何世紀にもわたる後世に多大な影響を与えた。そんなシーナとロブが織りなす師弟の絆のドラマには、人間の死を予見する超自然的な能力や禁断の人体解剖といったエピソードも絡み、史実とフィクションを巧みに融合した歴史劇の醍醐味を観る者に堪能させる。

 この一大プロジェクトを牽引したのは、『アイガー北壁』『ゲーテの恋 〜君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」〜』という歴史もので高い評価を得たドイツの気鋭監督フィリップ・シュテルツェルである。異文化間の交流、軋轢といった現代にも通じるグローバルな視点のテーマを扱いながら、モロッコ・ロケによる砂漠のスペクタクル・シーンを映像化。その熱い興奮と感動を呼び起こすダイナミックな語り口は、このジャンルにおける不朽の名作『アラビアのロレンス』を彷彿とさせるに違いない。『ヒューゴの不思議な発明』でアカデミー賞受賞を誇るPixomondoが視覚効果を手掛ける。

 フレッシュな若手俳優と国際的に活躍する実力派俳優のアンサンブルも、本作の大きな見どころとなる。プロデューサー陣の長期間に及ぶ選考を経て主人公ロブに抜擢されたのは、これが映画初主演となるイギリスの新星トム・ペイン。その端正なマスクとしなやかな身体、繊細さと荒々しさが同居する演技は、多くの観客を魅了することだろう。そして『ガンジー』でアカデミー主演男優賞に輝き、『ヒューゴの不思議な発明』『アイアンマン3』といったハリウッド超大作でもおなじみの名優ベン・キングズレーが、“医学の父”にして哲学、天文学、数学、錬金術にも精通した伝説の賢人イブン・シーナを威厳に満ちた存在感で体現。さらに『ドラゴン・タトゥーの女』『ニンフォマニアック』の曲者俳優ステラン・スカルスガルド、『運命の女』などのフランスの二枚目俳優オリヴィエ・マルティネスが脇を固めている。

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=54341

執筆者

Yasuhiro Togawa