岡田茉莉子、有馬稲子、倍賞千恵子ら
松竹女優が贈る、下町コメディの快作
“花嫁シリーズ” 精選7作品を一挙上映!

「庶民的な明朗喜劇」を得意とした松竹が、1950年後半から60年初頭にかけ製作し、ひときわ人気を博した“花嫁シリーズ”。
作品毎に異なる下町を舞台に繰り広げられる波乱万丈なホームコメディは、当時多くの人々の涙と笑いを誘いました。
名画座ラピュタ阿佐ヶ谷では、その“花嫁シリーズ”の中から選りすぐりの7作品をモーニングショーにて特集上映いたします。
シリーズ第一作となる『抱かれた花嫁』は、浅草の老舗鮨屋が舞台。戦争未亡人のたくましい女将(望月優子)と勝気な長女(有馬稲子)が、養子・恋人・縁談をめぐって激しく衝突!母子の心の交錯を小気味良く描いた良作です。
続く二作目『花嫁のおのろけ』は、弟の結婚に触発され婚活を始める独身アラサー大学助教授(高橋貞二)のドタバタ恋愛劇。幾多のお見合いも惨敗続きの主人公と、美人姉妹(小林トシ子、岡田茉莉子)の間に生じる恋愛騒動をテンポ良く活写!ショートヘアでファッショナブルな岡田茉莉子がスクリーンを彩ります。

本シリーズ最多出演となる倍賞千恵子の芸の豊かさも見どころの一つ。『ふりむいた花嫁』ではどじょう屋の頑固親父(伴淳三郎)と張り合う娘役を、また『のれんと花嫁』では老舗カステラ屋の息子(津川雅彦)に恋するヒロインを好演。自身も所属していた松竹歌劇団と踊り子役で共演した『泣いて笑った花嫁』も必見です。のちの「男はつらいよ」などにもつながる可憐な下町娘像は、このシリーズで確立されたといっても過言ではないでしょう。
深川、木場、蔵前などの情緒溢れる下町の雰囲気と、粋で賑やかな人間模様。古きよき日本の風景が凝縮された、松竹プログラムピクチャーの快作“花嫁シリーズ”7作品をどうぞお愉しみください。

『松竹×下町×ラブコメディ 花嫁さんがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!』(モーニングショー)
2015年5月24日(日)〜2015年7月11日(土) 連日10:30より1回上映

【上映作品】

●『抱かれた花嫁』
(1957年/松竹大船/監督:番匠義彰/出演:有馬稲子、望月優子、大木実)

●『花嫁のおのろけ』
(1958年/松竹大船/監督:野村芳太郎/出演:岡田茉莉子、高橋貞二、小林トシ子)

●『空かける花嫁』
(1959年/松竹大船/監督:番匠義彰/出演:有馬稲子、志村喬、高橋貞二)

●『ふりむいた花嫁』
(1961年/松竹大船/監督:番匠義彰/出演:倍賞千恵子、伴淳三郎、小坂一也)

●『のれんの花嫁』
(1961年/松竹大船/監督:番匠義彰/出演:倍賞千恵子、津川雅彦、瞳麗子)

●『はだしの花嫁』
(1962年/松竹大船/監督:番匠義彰/出演:鰐淵晴子、倍賞千恵子、佐野周二)

●『泣いて笑った花嫁』
(1962年/松竹大船/監督:番匠義彰/出演:鰐淵晴子、倍賞千恵子、高峰三枝子)

【料金】一般…1,200円 シニア・学生…1,000円 会員…800円 ※水曜サービスデー…1,000円均一

執筆者

Yasuhiro Togawa