この度、第67回カンヌ国際映画祭パルム・ドール大賞受賞作品『雪の轍(わだち)』の予告編が完成致しました!
予告編は、世界遺産・カッパドキアの壮大な風景が広がる映像美と、人間の内面を描いた濃密なドラマを感じさせる壮大で重厚感あふれるものとなっております。
さらに今回は、予告編のナレーションを「世界の車窓から」でもお馴染みの俳優・石丸謙二郎さんが担当して下さいました!
また、公開日は6月27日(土)に決定いたしました。角川シネマ有楽町および新宿武蔵野館にて公開いたします。

世界遺産・カッパドキアの観客を圧倒する風景の美しさが見どころの一つの本作。
「世界の風景を語っていただくなら石丸さんを置いて他にいない!」と予告編のナレーションをオファーし、今回のコラボレーションが実現。
これまで世界の名だたる絶景を見てきた石丸謙二郎さんも本作の舞台となっているカッパドキアには「いつか行ってみたい!」と、本作の並外れた映像美に太鼓判!収録は、終始リラックスした雰囲気のなか行われ、完成した予告編では石丸謙二郎さんの渋く深みのある声が観客をグイグイと作品の世界にいざないます。

カッパドキアの壮大な風景から始まる予告編は、「ホテル・オセロ」とシェイクスピアを思わせる主人公が経営するホテル、主人公が乗った車に石が投げられるショッキングなシーン、不穏な会話、劇中曲のシューベルトの「ピアノソナタ第20番」、カッパドキアを象徴する馬のシーンなどがちりばめられ、濃厚なドラマを感じさせる内容になっています。
文豪チェーホフの著作をモチーフとした本作は、カッパドキアの洞窟ホテルを舞台に、今は裕福なホテルのオーナーとして暮らす元舞台俳優のアイドゥンと、若く美しい妻、そして妹との愛憎、さらに主人公が思わぬ形で恨みを買ってしまったある一家との不和を描きます。
彼らの住むカッパドキアに冬が訪れるとともに、取り残された彼らの鬱屈した内面が静かに明らかになっていく、濃厚な人間ドラマです。
ストレートな言葉で感情をぶつけ合う登場人物たちには、そこはかとない滑稽さも漂い、さらに「人間であること」を考えさせられる、見応えのある作品です。
カンヌ国際映画祭では審査員長を務めたジェーン・カンピオン監督は「知的で洗練された、素晴らしい作品。あまりに引き込まれて3時間の映画であることを忘れてしまった!」と絶賛したほか、世界的なメディアからも絶賛が相次ぎました。
監督は、カンヌ国際映画祭コンペティション部門にてグランプリを2回(2011年「昔々、アナトリアで」、2003年「冬の街」)と監督賞(2008年「スリー・モンキーズ」)を受賞したトルコが誇る巨匠、ヌリ・ビルゲ・ジェイラン。満を持してのパルム・ドール大賞受賞作品であり、初の日本公開作品です。

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執筆者

Yasuhiro Togawa