日本のみならず韓国でも絶大な人気を誇る作家、村上春樹さんの売り上げを今年、東野圭吾さんが追い抜いた。

韓国の大手書店、教保文庫は29日、今年の東野圭吾さんの小説販売冊数は村上春樹さんの約1.6倍と発表。最近発刊された「パラレルワールド・ラブストーリー」をはじめ今年翻訳出版された東野さんの小説はすでに7冊になる。東野作品が日本の翻訳小説全体に占める割合は今年16.5%に達し、09年に記録した過去最高(14.3%)を更新した。教保文庫によると日本の小説は06年以降、小説全体の20%前後のシェアを維持し続けているそうだ。

また、東野さん原作「白夜行」「容疑者Xの献身」などが相次いで韓国で映画化されており、今年4月には「さまよう刃」が製作・公開され大ヒットを記録し、9月6日(土)より角川シネマ新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷にて日本公開が決定した。
本作で韓国を代表する演技派俳優の豪華共演を果たしている。娘を殺され、悲しみと苦悩、怒りの果てに少年たちに復讐する父親に“千の顔を持つ男”チョン・ジェヨン。そして、加害者保護の「少年法」に疑問を感じ悩み葛藤する刑事を演技派俳優イ・ソンミンが熱演し見ごたえのある本格クライム・サスペンス映画に仕上がっている。

最愛の娘を未成年の少年たちに陵辱され殺された父親は激情し、少年たちを追い詰める。その父親への同情の念を持ちつつも、職業倫理を貫かねばならず、少年法の矛盾に疑問を持つ警察官。

父親は復讐を果たすことが出来るのか?
切なく静かな激情の刃、それは不条理な正義・・・・。
「正義」とは何か?遺族に「救済」はあるのか?
原作をより深く掘り下げ、社会の普遍的な矛盾点を浮き彫りにし、怒り、悲しみ、空しさだけではなく、あなたの胸に重い何かを残す重厚な人間ドラマに仕上がっている。

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執筆者

Yasuhiro Togawa