言葉はあてにならないけど 私のからだが感じたことは 信じられる。

 “小森”は東北のとある村の中の小さな集落。いち子は一度都会に出たけれど、自分の居所を見つけることができず、ここに帰ってきた。近くにスーパーやコンビニもない小森の生活は自給自足に近い暮らし。稲を育て、畑仕事をし、周りの野山で採った季節の食材から、毎日の食事をつくる。夏は畑でとれたトマトを使ったパスタや麹から作った米サワー、秋には山で採ったくるみの炊き込みごはん、栗の渋皮煮、冬は温かいひっつみや小豆を入れて焼いたマフィン、春はふきのとうを使ったばっけ味噌、春キャベツのかき揚げ—
 四季折々に様々の恵みを与える一方で、厳しさも見せる東北の大自然。時に立ち止りながら、自分と向き合う日々の中で、いち子は美味しいものをもりもり食べて明日へ踏み出す元気を充電していく・・・

旬の食材から生み出される美味しい料理の数々

 原作は「月刊アフタヌーン」に連載された五十嵐大介の人気コミック。生きるために、食べる。そして食べるために自分で作る。全てがひとつながりになったシンプルな暮らしの中で、自分の生き方を見つめなおしていく主人公の姿を描き、高い評価を得ています。映画では、美しい四季の移ろいを映しとるため、約1年間に渡って岩手県奥州市にてオールロケを敢行。春夏秋冬の4部作として完成させました。また、主人公・いち子が畑や周りの野山で採ってきた旬の食材を使って作る食事は、女性から絶大な人気を誇る料理研究家・野村友里が率いる「eatrip」チームのディレクションにより原作に登場する料理が忠実に再現されています。素朴さの中にも工夫がこらされた料理の数々は観るだけでお腹が空いてくることうけあいです。

予告編::http://youtu.be/CFZ7YqoNfAE

1年間のオール東北ロケに挑んだ少数精鋭のスタッフ・キャストたち

 主人公・いち子役には、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」でその人気を全国区に広げた若手実力派・橋本愛。またいち子の幼馴染のユウタ役に三浦貴大、同じく幼馴染のキッコ役に「あまちゃん」で橋本と共演した松岡茉優、キャンプ場の管理人・シゲユキ役に温水洋一、更に、いち子の母・福子役を桐島かれんが演じます。監督は『Laundry』、『重力ピエロ』等で海外でも高い評価を受ける森淳一。プロデューサーには『タイヨウのうた』『永遠の0』の守屋圭一郎。音楽はエレクトロニカという枠を超え、国内外で高い評価を獲得するアーティスト、宮内優里が担当。そして、yui率いるFLOWER FLOWERが、春夏秋冬それぞれのイメージにあわせて4曲を描き下ろし、各編の主題歌として提供するのも大きな話題です。

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=52398

執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa