「風貌に似合わない“スイート”で“プリティ”な
愛の世界を作りあげることができた」(篠原監督)

 雪の夕張と、上海の街並みを舞台に繰り広げられる10年にわたる日中合作のラブストーリー『スイートハート・チョコレート』の上映がアディーレ会館ゆうばりで行われ、篠原哲雄監督、俳優の池内博之さん、プロデューサーのミッシェル・ミーさんが舞台上に登壇した。「(ゆうばりファンタで)上映される145本の中からクロージング作品に選ばれて本当に嬉しい。」と挨拶した篠原監督は「撮影を始めようとした去年の3月には雪がほとんど解けていてとても焦りました。けれど運良く15日のクランクインは猛吹雪。我々は“奇跡の雪”と呼んでましたが、夕張の方々には迷惑だったかも(笑)」「おかげで(自身の)風貌に似合わない“スイート”で“プリティ”な愛の世界を作りあげることができた」とコメント。また、総一郎役の池内さんは「ゆうばりに来るのは今回で3度目、今年も寒い!昨日も今日も転びました(笑)」また、「ゆうばりは本当に人が温かいと思う」と続け、撮影中ATMが見つからず困っていた時、ホテルのフロントの方が30分かけてATMまで連れて行ってくれたエピソードを語った。本作のプロデューサーを務めたミッシェル・ミーさんは「2006年に初めて夕張を訪れて、とても美しい印象を受けた。翌年の2007年、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭の中止を聞いて、涙が止まらなかった」「ただ同時に、ゆうばりで自分の好きな映画を作りたいと思った」と本映画祭に注ぐ熱い想いを語った。

執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa