「みなさんの心がじんじんとなってくれたら嬉しい」(大地)

絵本の里として知られる北海道剣淵町を舞台に作られた感動作『じんじん』の上映がアディーレ会館ゆうばりで行われた。上映後には山田大樹監督、大地康雄さん、小松美咲さん、井上正大さんが登壇し、上映に対する喜びや撮影のエピソードなどを語った。大地さんは「はじめ絵本には全く興味がなかった。偶然仕事で剣淵町に立ち寄った際、目を輝かせて絵本(の読み聞かせ)を夢中で聞く子供たちと出会い、純粋な童心に改めて気付けた。」と語り、「自分が心から感動したことを、映画にして全国に伝えたいと思った」と企画の理由を語った。小松さんは剣淵町での撮影に対し、「北海道に行ったことがなかったので楽しみもありましたが正直不安も。ただ地元の方の温かさに触れ、本当に行ってよかったと思えた」また、完成したものを観て「心が温かくなりました」とコメント。一方、役作りのために実際の農家で本格的な農業研修を行った井上さんは「草刈りからはじめた時は、(なんでこんなことをしているんだろうと)疑問に思うこともあったが、やっていくうちに慣れていきました。牛舎の世話は苦労したが、最終的に牛たちとも信頼関係を築けた」とにこやかな表情でコメント。それに対し大地さんは「オーディションで出会ったときは“シティボーイ”って感じで、彼には農業はできないという意見もあった。ただ最後のほうは本当の農家に見えた。そこに仮面ライダーディケイドはいなかった(笑)」と苦労を労った。なお、劇中の絵本は全て大地さんが自ら制作したもの。山田監督は「最初大地さんは自分がやるとは思っていなかったみたいで驚いていた(笑)、最終的に上達されて本当に素晴らしい」と褒め称えた。
 山田監督は最後に「ゆうばりに来たのは初めて。大地さんの素晴らしい企画、坂上かつえさんの素晴らしい脚本、キャストスタッフみんなのおかげで完成できた。」とコメント。また、大地さんは「良い仕事というのは、私利私欲ではなく『志』で決まる。この作品でみなさんの心がじんじんとなってくれたら嬉しい」と語り、会場は温かい拍手に包まれた。

執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa