セレモニーではまず、この4日間のハイライトがスライドショーでモニターに映し出され、そして本映画祭のメインともいえる、それぞれの部門の授賞式が行われました。喜びに沸きかえる監督らに、会場からは暖かい拍手が送られました。また、審査員からも映画に対する熱い思いが語られるなど、ゆうばり映画祭ならではの”映画愛”があふれる閉会式となりました。

≪受賞作≫
ファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門
グランプリ  『暗闇から手をのばせ』  監督:戸田幸宏

ーーーーーーーー≪戸田監督の授賞コメント≫ーーーーーーーー
「素直に嬉しいです。ゆうばりファンタに初めて参加し、本当に温かさを感じました。映画は、制作と観客が一緒に作り上げるものだと改めて感じました。実は昨夜、飲み屋で携帯電話を忘れて今日一日そのことばかり考えていましたが、こんな素晴らしい賞をもらえて、(さっき)携帯も帰ってきて良かったです(笑)」
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【シネガー・アワード】 『暗闇から手をのばせ』/戸田幸宏監督 ※興行関係者とメディア関係者の代表が選考にあたり、受賞作を選出
【審査員特別賞】『ケランハンパン』 監督・脚本:寒竹ゆり/【北海道知事賞】『冬のアルパカ』 監督・脚本・編集:原田裕司/【スカパー!映画チャンネル賞】『樹海のふたり』/山口秀矢)監督/【「渚」特別賞 special mention for Nagisa】『あなたにゐてほしい〜Soar〜』 監督・脚本・撮影・作曲・編集:原將人

≪審査員長 塚本晋也監督/吉田大八監督に本年度オフシアターへの総評≫
(塚本) 「オフシアター・コンペ部門にノミネートされた10本はどれも力強かった。ただ、個人的には自分の中のぐちゃぐちゃの部分を破綻ぎりぎりに表現した作品を観たかった。典型的な枠にはまらない、そうしたものこそオフシアターだと思うので」

(吉田) 「映画を観た後、他の人と内容について語ったり、会場内にうろうろしている監督に気さくに話を聞ける機会があるのがゆうばりファンタの魅力だと思う。オフシアター・コンペ部門のノミネート作品はどれもバラエティに富んでいて迷ったが、作り手に話が聞きたい!と感じるかどうかを選考基準にしました」

■インターナショナル・ショートフィルム・ショウケース部門
審査員:田口清隆 (監督)、寒河江弘(フィギュア作家、造形作家)、神楽坂恵(俳優)

・優秀CG賞:『虹色』/バイイー監督
・優秀アニメ賞:『嫌われ者のラス』/YORIYASU監督
・優秀実写賞:『京太の放課後』/大川五月監督
・審査員特別賞:『伝説の大魔神VSエイリアン』/リー・チャン・マン監督

スポンサー賞
・サプライズCG賞:『虹色』/バイイー監督
・サプライズアニメ賞:『影』/キム・スンラ監督
・サプライズ実写賞:『京太の放課後』/大川五月監督
・サプライズ特別賞:『愛のゲーム』/ジョン・ユミ監督

※なお、「暗闇から手をのばせ」は、3月23日から東京・ユーロスペースでレイトショー
また、3月8日(金)よりBSスカパー!にて全国放送

執筆者

Yasuhiro Togawa