CJ Entertainment Japan配給「トガニ 幼き瞳の告発」が、8月4日(土)よりシネマライズ、新宿武蔵野館ほか全国5館での上映が始まり、好調な集客稼働となった。新宿武蔵野館では満席立ち見が出る回もあった。

 初日のぴあ満足度ランキングでも92%の満足度を獲得。「マダガスカル3」「かぞくのくに」を抑えての堂々の第一位に輝いた。R-18作品にも関わらず、「途中から涙が止まらなかった」「子供たちの必死の訴えに涙が溢れた」といった、衝撃的な内容というだけでなく、感動出来る作品として満足度が高かったようだ。

 本作は、2000年から6年もの間、韓国の聴覚障害者学校で起きた、教員たちによる生徒への性的虐待事件を題材にした映画。2005年の事件発覚後も加害者は法的な処罰を受けず、教壇に立ち続けていたが、この映画が韓国で公開されるやいなや、460万人以上動員する大ヒットとなって、多くの人々が不条理な司法制度を批判し政府を動かすまでに発展、一大社会現象を巻き起こした。主演は「コーヒープリンス1号店」のコン・ユ。今までのライトなイメージと打って変わって、被害者生徒を守ろうとする教師役を熱演。事件の悲惨さのみならず、息詰まる法廷劇の行方にも目が離せない極上の告発サスペンス。
 客層としては、40代以上の女性が主体で、同じく4,50代以上の男性客も目立った。男女比は4:6で女性は主にコン・ユファンが稼働しており、そのなかで年齢層は午前が中高年で午後になると若いファン層が増えている様相。一方、男性は新聞購読層である中高年を中心に、一人客のほか夫婦連れも目立った。渋谷は若くメディア・リテラシーの高い大学生、映画ファンなども稼働している。また、テーマに呼応して、聴覚障害の方が複数で連れ添っての来場される姿が特に日曜は目立った。

 前売りは公開直前までで劇場販売で2500枚ほど(9館)だったが、着券率は30%ほどで土日は思った以上に当日鑑賞が多かった。これは、ファン層以外にも作品テーマとその話題性が訴求したといっていい。上映中は、すすり泣く声が多数聞かれ、実際にあった事件の事を映画で知り、被害者へ感情移入する観客が殆どであろう。また、事件のいきさつや原作者インタビューなど重厚な内容のオリジナルパンフレットが購買率20%を超える売れ行きをみせている。

 興行成績は、2館で土日1,854人の動員、2,577,200円の興行収入。客層から、平日は落ちの少ない動員が期待できる。

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執筆者

Yasuhiro Togawa