5月5日に公開し、興行収入15.4億円を突破している映画『宇宙兄弟』が、本日行われた第16回プチョン国際ファンタスティック映画祭(Pchon International Fantastic Film Festival略称 Pifan)授賞式において、コンペティション部門 「最優秀作品賞」と「観客賞」をW受賞しました!! 「最優秀作品賞」は本映画祭においてもっとも栄誉ある賞であり、カンヌ映画祭におけるパルム・ドールとも言え、日本映画が受賞するのは初めてのこと。また、「最優秀作品賞」と「観客賞」のW受賞というのは、本映画祭が始まって以来初めての快挙であり、「宇宙兄弟」に対する評価の高さが伺えます。

「宇宙兄弟」は、モーニング(講談社)連載中の同名漫画を原作としており、兄弟で宇宙飛行士を目指す、感動的な兄弟ドラマ。悩みを抱えたモジャモジャ頭の兄を小栗旬が、ツンツン頭の優秀な弟を岡田将生が演じ、話題を集めました。コンペ全12作品の中から「宇宙兄弟」を「最優秀作品賞」に選んだ理由について、同映画祭プログラマーのAlice Yoo(アリス・ユー)女史は、「審査員がこの作品を選んだ理由は、有名な漫画を原作にして作られた映画「宇宙兄弟」は、この種のジャンルでは弱いとされる“ドラマ”の構成に非常に密度があり、強い感動を与える作品としてオリジナリティを感じたからである。また、おもしろく、そして感動的なストーリーで観客と活発にコミュニケーションをはかろうとした作品であったことも大きな選出理由。主演の小栗旬さんと岡田将生さんのお二人の息の合った演技が、「宇宙兄弟」をより輝かせたことは間違いない」とコメント。

映画を観た観客の反応は、審査員と同じく素晴らしい反応でした。映画祭期間中ここまで2回行われている上映のチケットは、いずれも発売開始3分で完売するほどの盛況ぶりで、最優秀作品賞の受賞を受けて、新たに2回の追加上映が決定致しました。映画祭関係者によると、映画祭のテーマである「愛・幻想・冒険」を生き生きと表現している点が評価された模様です。また、出品にあたり「現在、日本という文化圏で人気を博しているコミックを原作としたこの映画のトーンや、テーマへの視点が韓国の方々にどう受け止められるか楽しみ」と語っていた森義隆監督は、知らせを聞いて「映画の大半がオリジナル作品である韓国という土壌で、日本の人気コミック原作というものが非常に強い関心をもって受け入れられているということを実感しました。それだけでも貴重な体験だったのですが、さらに賞まで頂き、嬉しい限りです!」と喜びをかみしめました。

◆プチョン国際ファンタスティック映画祭・・・・・・1997年以来毎年7月に開催されている韓国の国際映画祭。主に韓国やアジア地域、その他海外から、ホラー、スリラー、ミステリー、SF、ファンタジー映画がプログラミングされ、16回目を迎える今年は7月19日〜29日に韓国 富川市で開催し、「愛・幻想・冒険」をテーマに、世界47ヵ国230作品を上映。なかでも『宇宙兄弟』が上映された「プチョン・チョイス(Puchon Choice)」部門は、世界の監督たちが、より新しく進歩的な映画的精神を競うセクション。過去にもいくつかの日本映画が出品・授賞されているが、今年は本作のほかに、クロージング作品に『愛と誠』(三池崇史監督)、長編コンペティション・プチョンチョイスで『劇場版BLOOD-C The Last Dark』(塩谷直義監督)が出品されている(『宇宙兄弟』も同部門)。

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執筆者

Yasuhiro Togawa