書は、言葉の海を渡る舟。
ひとは辞書という舟に乗り、暗い海面に浮かびあがる小さな光を集める。
もっともふさわしい言葉で、正確に、思いをだれかに届けるために

2004年の設立以来、本屋大賞受賞作は1作を除きすべて映画化され、大ヒットを記録してきました。
そして、この度、2012年本屋大賞 第1位に輝く「舟を編む」を映画化する運びとなりました。
原作は「まほろ駅前多田便利軒」で第135回直木賞を受賞、今もっとも新刊が待ち望まれる作家のひとりである三浦しをん。現在発行50万部を突破、今現在もランキング上位に位置するベストセラーとなっております。
人と人との思いをつなぐ“言葉”というものを整理し、意味を示し、もっともふさわしい形で使えるようにするもの—辞書。本作はその辞書という【舟】を編集する=【編む】、ある出版社の変わり者の寄せ集め編集部の物語です。23万語におよぶ言葉の海に奮闘する変人編集部員・馬締光也(まじめ みつや)とその同僚たちの姿、そして、馬締が下宿の孫娘・林香具矢(はやし かぐや)に初めて感じたある思いをなんとか“言葉”にし、伝えようとするもどかしくも微笑ましいやりとりを描きます。誰かに思いを伝えたい、つながりたい。“言葉”という絆を得て、それぞれの人生が優しく編みあげられていきます。

出演は、社内では“変人”として持て余されていたが、人とは違う視点で言葉を捉える才能を買われ、辞書編集部の中心を担うことになる馬締光也に、『まほろ駅前多田便利軒』『探偵はBARにいる』の松田龍平。彼が一目惚れしてしまう下宿の大家の孫娘・板前見習いの林香具矢に、『わが母の記』『天地明察』の宮崎あおい。その他にも、一癖もふた癖もあるキャラクターたちが、言葉の海に乗り出していきます。
監督は、2010年『川の底からこんにちは』で第53回ブルーリボン賞監督賞を受賞、国内外から注目を集める若き俊英石井裕也がつとめます。
7月下旬クランクイン、9月上旬クランクアップ予定。2013年4月13日(土)丸の内ピカデリーほか全国ロードショー

本屋大賞について
「全国書店員が選んだ いちばん!売りたい本」というキャッチコピーのもと2004年に設立された賞。一般の文学賞とは異なり作家・文学者による選考ではなく、新刊を扱う書店(オンライン書店を含む)の書店員」の投票によってノミネート作品および受賞作が決定される。設立以来、大賞受賞作は1作を除きすべて映画化されており、大ヒットを記録している。

2004年 『博士の愛した数式』 小川洋子/新潮社
監督:小泉堯史 出演:寺尾聰、深津絵里
2006年1月21日公開(配給:アスミック・エース)
2005年 『夜のピクニック』 恩田陸/新潮社
監督:長澤雅彦 出演:多部未華子
2006年9月30日公開(配給:松竹、ムービー・アイ)
2006年 『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』 リリー・フランキー/扶桑社
監督:松岡錠司 出演:オダギリジョー、樹木希林
2007年4月14日公開(配給:松竹)
2007年 『一瞬の風になれ』 佐藤多佳子/講談社
映画化なし(2008年フジテレビにてドラマ化)
2008年 『ゴールデンスランバー』 伊坂幸太郎/新潮社
監督:中村義洋 出演:堺雅人、竹内結子
2010年1月30日公開(配給:東宝)
2009年 『告白』 湊かなえ/双葉社
監督:中島哲也 出演:松たか子
2010年6月5日公開(配給:東宝)
2010年 『天地明察』 冲方丁/角川書店
監督:滝田洋二郎 出演:岡田准一、宮崎あおい
2012年9月15日(配給:角川書店、松竹)
2011年 『謎解きはディナーの後で』 東川篤哉/小学館
監督:土方政人 出演:櫻井翔、北川景子
2013年公開(配給:東宝)
2012年 『舟を編む』 三浦しをん/光文社
監督:石井裕也 出演:松田龍平、宮崎あおい
2013年4月13日(土)公開(配給:松竹、アスミック・エース)
登場人物/キャストコメント

●【馬締 光也 – まじめ みつや】 松田龍平
「辞書を作ることで、言葉と人と向き合って成長していく役が今から楽しみです」

●【林 香具矢 – はやし かぐや】 宮崎あおい
「初めての石井組ですが、二度目三度目のスタッフ・キャストの方が多いので、とても楽しみにしています。石井監督のもとで香具矢という大人の女性をきちんと生きることが出来るように頑張ります」

●原作: 三浦しをんさんコメント
「信頼のおけるスタッフ・キャストのかたに『舟を編む』を映画化していただけることになり、とてもうれしいです。辞書の世界がどう映像化されるのか、楽しみにしております」

●監督: 石井裕也 より コメント
「十五年の歳月をかけて二十数万語が収録された一冊の辞書を作り上げる。小説を読んで、この途方もない作業に敢然と立ち向かっていく人間達の姿に感動しました。一つの仕事をやり遂げるために人生を賭けるとはどういうことなのか。答えは永久に見つからないかもしれませんが、悩みながら、考えながら、映画を作っていこうと思っています。素晴らしいキャストとベテランのスタッフの方々が集まり少し緊張していますが、同い年の松田龍平さんと共に闘えるのはとても心強く、また楽しみでもあります。登場人物達の静かなる情熱がスクリーンから滲み出るような、そんな映画を作りたいと思います」

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執筆者

Yasuhiro Togawa