昨年度ロンドン映画祭にて見事グランプリを受賞したリン・ラムジー監督最新作、アカデミー賞女優(『フィクサー』でアカデミー賞助演女優賞受賞)ティルダ・スィントン主演、その悪魔的な美貌が話題となっている新星エズラ・ミラー共演の『少年は残酷な弓を射る』の原作本の日本発売が、遂に決定いたしました。

作家としてのキャリアを捨てて息子ケヴィンを生んだエヴァ。しかしケヴィンは物ごころつく前から、なぜかエヴァだけに反抗をはじめ、やがて成長するうちにその態度をさらに硬化させていく──。

母親に対して異常なまでの悪意と執着心を持つ息子と彼に戸惑う母親が行き着く、親子の関係を緊張感たっぷりに描き、世界に衝撃を走らせた本作。原作本「We Need To Talk About Kevin」は英国女性作家文学賞の最高峰オレンジ賞に輝いた400ページにも及ぶ長編。英米ではベストセラーとなっている一方、「我が子にここまで愛情を感じられない母親なんているわけがない。あまりににも非現実的だ」「(ケビンの行動の恐ろしさについてのコメント)」と過激なその内容に対し、激しい反応も見られた。
日本でも翻訳版発売を打診された出版社担当は、激しい拒絶反応を示す者も多く、出版は難航していた。日本での翻訳版の発行は不可能と思われたが、映画の日本公開が決定したこと、そして英国版のペーパーバックに寄せられたテレビジャーナリストの「この作品は多くの女性が感じていながら決して口に出すことのなかった真実–母になることへの怖れと生まれてくる子を愛せないかもしれないという不安—-を広く知らしめた」という批評に惹きつけられた女性編集者が出版を決意! 遂に日本でも発売されることが決定した! 

昨年から今年の賞レースをにぎわせ、ただいま日本のマスコミス試写でも主人公ケヴィンの過激な行動にに賛否が続出している話題のエモーショナル・サスペンス『少年は残酷な弓を射る』は、6月30日(土)から公開。邦題を映画と合わせた原作本は、6月15日イーストプレスより発売(上下巻・1700円予定)になる。

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執筆者

Yasuhiro Togawa