現在、全国で絶賛公開中の園子温監督作『ヒミズ』が、日本時間の3月11日(日)、フランスで開催されておりました、ドーヴィル・アジア映画祭におきまして、批評家賞を受賞いたしました。
本作『ヒミズ』は、昨年3月11日の東日本大震災を受け、監督・脚本の園子温監督の「2001年(原作漫画が出版された年)ではなく、2011年の若者のリアルを描かなければならない」という意向により、舞台を震災後の日本に変更、被災地での撮影もおこいました。そして、本作が震災からちょうど1年をむかえる2012年3月11日(日)に上記の映画賞を受賞いたしました。受賞に際して、園監督は「奇しくも3月11日、この日に頂く事になろうとは、何か不思議な縁を感じます。喜びより、なぜか痛みを感じます」とコメントしています。園子温監督は昨年の第13回ドーヴィル・アジア映画祭でも『冷たい熱帯魚』で同賞を受賞。2年連続の快挙となります。
本作『ヒミズ』はヴェネチア国際映画祭で主演の染谷将太とヒロインの二階堂ふみが新人俳優賞を受賞するなど、海外から高い評価を受けている作品。今日現在で17の海外映画祭での出品が決定しており、今後もリトアニア、ベルギー、イギリス、デンマーク、ボスニアの映画祭で上映されることになっております。

≪ドーヴィル・アジア映画祭とは?≫
1999年、アジア映画のショウケースとしてフランスのドーヴィルで初めて開催されており、今年で14回目むかえる。
毎年アジア各国から有能な監督を発掘し、世界へ羽ばたかせるきっかけを作っている映画祭。
今年は、『ヒミズ』と、松本人志監督の『さや侍』がコンペティション部門に出品されたことでも大きな話題となっている。

第14回ドーヴィル・アジア映画祭(開期:3月7日〜3月11日)受賞作品一覧
最優秀作品賞:「MOURNING 」Morteza Farshbaf(モルテザ・ファルシャバフ)監督
審査員賞:「BABY FACTORY」Eduardo Roy jr.(エドアルド・ロイ・ジュニア)監督
批評家賞:「ヒミズ」園子温監督
批評家賞:「MOURNING」Morteza Farshbaf(モルテザ・ファルシャバフ)監督
アジアアクション賞:「捜査官X(Wu Xia)」ピーター・チャン監督

<日本映画の過去受賞歴>
2011年 批評家賞:「冷たい熱帯魚」園子温監督/2011年 審査員賞:「海炭市叙景」熊切和嘉監督
2003年 デジタル賞:「こぼれる月」坂牧良太監督/2002年 デジタル賞:「ギブス」塩田明彦監督
2002年 デジタル賞:「東京ゴミ女」廣木隆一監督/2001年 最優秀撮影賞:「ほとけ」蔦井孝洋さん(辻仁成監督)

≪園子温監督より、受賞に際してのコメント≫
「この度の受賞、奇しくも3月11日、この日に頂く事になろうとは、何か不思議な縁を感じます。喜びより、なぜか痛みを感じます。この映画を観てくれたみなさん、そして映画祭の審査員の方々ありがとうございました。」

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執筆者

Yasuhiro Togawa