2012年3月9日(金)〜18日(日)開催の「第7回大阪アジアン映画祭」に向けて、映画祭をより深く体感するとともに、多様な映画への理解、映画の面白さを知っていただくことを目的に、映画連続講座を開催。

 大阪アジアン映画祭プログラミング・ディレクターでアジア映画の第一人者・暉峻創三氏がアジア映画を4回にわたって語る「特別連続ゼミナール」、日本映画についての講座である「日本映画連続講座2011」、さらに「映画翻訳字幕講座」を開講いたします。映画や映画祭への関心を高めると同時に、映画観客の育成にも取り組み、興味溢れる講座を目指します。

名称:第7回大阪アジアン映画祭プレ企画「映画連続講座2011」
  (大阪アジアン映画祭特別連続ゼミナール、日本映画連続講座2011)
日程:2011年9月4日(日)→2012年2月5日(日)
会場:大阪歴史博物館4階第1研修室
主催:大阪映像文化振興事業実行委員会、大阪歴史博物館
協力:NPOコミュニティシネマ大阪、シネ・ヌーヴォ、プラネット・スタジオ・プラス・ワン

●大阪アジアン映画祭特別連続ゼミナール(4回)
タイトル……「アジア映画最前線、そして大阪アジアン映画祭」
講師…暉峻創三………映画評論家、大阪アジアン映画祭プログラミング・ディレクター

 日本を代表するアジア映画の第一人者であり、大阪アジアン映画祭プログラミング・ディレクターの暉峻創三氏が、アジア映画を4回にわたって語る特別連続ゼミナール。中華圏から韓国、タイ、フィリピン、インド等まで含め、アジア映画の最もホットな動向に広く触れる。2012年3月に開催される大阪アジアン映画祭の“予習”にもバッチリ! 日本未公開アジア映画の最新映像も多数紹介予定。暉峻さんと共にアジア映画の現在と行方を議論しながら、一緒に大阪アジアン映画祭の未来を創りだしていきましょう。お気軽にご参加ください。
【受講生特典】過去の大阪アジアン映画祭上映作品(日本未配給のものに限る)のDVDライブラリー(原則日本語字幕なし。英語字幕付き)が利用可能です。大阪アジアン映画祭の復習に、奮ってご利用ください。

〈日程〉2011年9月4日(日)、9月25日(日)、12月18日(日)、2012年2月5日(日)〈全4回〉
・各回とも15:00開講
※スケジュール等々におきまして、やむをえない事由により変更する場合もございます。あらかじめご了承ください。
「大阪アジアン映画祭特別連続ゼミナール」受講料…2400円(全4回) ◎全4回の定期講座です。
※1回のみの参加も可能ですが、連続受講を前提とした内容になります。受講料は受講回数にかかわらず2400円となります。

●日本映画連続講座2011(3回)
 大阪は映画発祥の地。1897年、日本で初めて大阪・南地演舞場で映画が公開されて以来、内外からたくさんの映画が大阪で上映されてきました。一方で、大阪を舞台に様々な映画が製作されています。そんな多様な日本映画の歴史をひも解く講座を3回にわたり開催します。なお、本講座は大阪アジアン映画祭で開催される「おおさかシネマフェスティバル」のスタッフらが担当します。

講座(1)9月24日(土)14:00〜「名作映画から学ぶ裁判員制度」
講師:坂和章平………弁護士、映画評論家
◎裁判員制度の施行から丸2年。無罪判決と死刑判決も5件ずつ。しかして、制度の定着は?『十二人の怒れる男』(57年)、『アラバマ物語』(62年)など米国には陪審映画の傑作が多く、ジョン・グリシャム作品は日本でも大人気。しかし、『疑惑』(82年)や『事件』(78年)、『ゆれる』(06年)や『それでも僕はやってない』(06年)など日本だって名作がゴロゴロ。さらに韓流だって。裁判員なんてとても無理!そんなことを言わず、名作映画からしっかりと!

講座(2)10月30日(日)14:00〜「大阪の映画を語る!」
講師:武部好伸………映画評論家、エッセイスト
◎110年以上もの映画の歴史を誇る大阪。映画を上映すると共に、大阪を舞台に様々な映画が製作されてきた。その映画は実に多種多彩で、多様な大阪が映し出されてきた。日本映画の巨匠たちがこぞって描き出した大阪とは? 大阪の映画を語る第一人者が熱く語る大阪の映画の魅力。大阪の映画が様々上映されてきた2011年、浪花映画総決算!

講座(3)11月20日(日)14:00〜
「おおさかシネマフェスティバルはここから始まった!〜『暗くなるまで待てない!』特別上映」
講師:大森一樹(映画監督、大阪芸術大学教授)、高橋聰(映画評論家、「おおさかシネマフェスティバル」部門委員長)、他
◎「おおさかシネマフェスティバル」は、1976年に開催された「第1回映画ファンのための映画まつり(おおさか映画祭)」が始まりだった。以来、30年も続いた日本でも屈指の歴史を誇る映画祭である。映画祭を始めたのは、大森一樹監督が自主製作した歴史的快作『暗くなるまで待てない!』のスタッフたちだった。本作の上映と、関係者による映画祭誕生の原点とは!?

「日本映画連続講座2011」受講料…600円(各回とも)
※スケジュール等々におきまして、やむをえない事由により変更する場合もございます。あらかじめご了承ください。

〈講師略歴〉
暉峻創三(てるおか・そうぞう 映画評論家、大阪アジアン映画祭プログラミング・ディレクター)
1961年、東京生まれ。80年代後半からアジア映画に特に焦点を当て、批評・紹介活動を展開。キネマ旬報、ぴあなどで執筆する。2002年、東京国際映画祭に「アジアの風」部門が設立されると共にプログラミング・ディレクターに就任。同部門を作品数・観客数ともに東京国際映画祭最大の部門に育て上げた。大阪アジアン映画祭2009より、同映画祭プログラミング・ディレクターに就任。「大阪発。日本全国、そしてアジアへ」をキャッチフレーズに、大阪をアジア映画の拠点とすべく邁進中。主要著書に「香港電影世界」(97)がある。

坂和章平(さかわ・しょうへい 弁護士、映画評論家)
1949年愛媛県松山市生まれ。大阪大学法学部卒。74年弁護士登録(大阪弁護士会)。79年坂和章平法律事務所開設。その後坂和総合法律事務所に改称し現在に。大阪モノレール訴訟、阿倍野再開発訴訟等の実践の他、『実況中継 まちづくりの法と政策』1〜4など都市問題についての著書多数。01年から映画評論家活動を始め、02年から11年までに『SHOW-HEYシネマルーム』1〜26を出版(約2000本を評論)。近時は『名作映画から学ぶ裁判員制度』(10年)、『名作映画には「生きるヒント」がいっぱい!』(10年)の他、『取景中国:跟着影去旅行』(09年)では中国映画評と中国旅行記を中国語で出版。07年10月には北京電影学院での講演も。弁護士稼業と映画評論家活動の二足のわらじを履いて、快走中!

武部好伸(たけべ・よしのぶ 映画評論家、エッセイスト)
1954年、大阪市生まれ。大阪大学文学部美学科卒。読売新聞大阪本社記者を経て、95年からフリー。映画、ケルト文化、洋酒をテーマにユニークな執筆活動を展開している。日本経済新聞夕刊文化欄で映画評、読売新聞で紀行エッセー「映画の地を歩く」などを執筆。日本ペンクラブ会員。関西大学社会学部非常勤講師。著書に『ケルト映画紀行〜名作の舞台を訪ねて』(論創社)、『ウイスキーはアイリッシュ〜ケルトの名酒を訪ねて』(淡交社)、『シネマティーニ 銀幕のなかの洋酒たち』(同)、『ぜんぶ大阪の映画やねん』(平凡社)など。

大森一樹(おおもり・かずき 映画監督・大阪芸術大学教授)
1952年、大阪市生まれ。75年、京都府立医大在学中に撮った自主製作映画『暗くなるまで待てない!』が話題を呼ぶ。77年、第3回城戸賞を受賞した『オレンジロード急行』でメジャー監督デビュー。自主映画からスタートし、ミュージカル、恋愛映画、ファンタジーなど幅広い活躍を見せる日本を代表する映画監督の一人。主な作品に『ヒポクラテスたち』(80年)、『恋する女たち』(86年)、『ゴジラVSビオランテ』(89年)、『わが心の銀河鉄道〜宮沢賢治物語』(96年)など。今年、『津軽百年食堂』『世界のどこにでもある、場所』の2本が公開され、話題となった。現在、大阪芸術大学教授。関西での映画製作や新しい才能の発掘・育成に取り組んでいる。

●会場:大阪歴史博物館4階第1研修室
大阪市中央区大手前4-1-32 TEL.06-6946-5728
地下鉄谷町線・中央線「谷町四丁目駅」9号出口前、NHK大阪放送会館隣

※この他、「映画字幕翻訳講座in大阪大学箕面キャンパス」も11月8日(火)に開講いたしますが、本講座につきましては、後日ご案内させていただきます。

●「映画連続講座2011」のお問合せ・お申込み先
Tel.06-6582-1416 Fax.06-6582-1420(シネ・ヌーヴォ)まで。メールでのお申し込みは、E-mail: info@oaff.jpまで。

執筆者

Yasuhiro Togawa