■1、開催概要

●期間:2007年2/2(金)〜2/4(日)
●会場:赤坂・OAGホール
    東京都港区赤坂7−5−56 ドイツ文化会館内
    地下鉄銀座線・半蔵門線・都営大江戸線
    「青山一丁目」駅A4出口より徒歩5分

●主催:国際交流基金
●企画・運営協力:特定非営利活動法人東京フィルメックス実行委員会
●協力:角川ヘラルド、シネカノン、松竹、日活

●料金:当日600円(当日券のみ)
*各回入替制 *全作品英語字幕付き(講演は入場無料)

<お問合せ先>
・ 会期前のお問合せ:上映会事務局(東京フィルメックス内)
        Tel: 03-3560-6394(11:00〜17:30 平日のみ)
・ 会期中のお問合せ: Tel: 080-5150-5053(開催期間中のみ)

<サイト>
(日) http://www.jpf.go.jp/j/culture_j/topics/movie/fsp-7.html
(英) http://www.jpf.go.jp/e/culture/topics/movie/fsp7.html
(※または短い表記の場合 http://www.jpf.go.jp/ )

<タイムテーブル>(6作品上映)   *入替制(開場は15分前)

【2/2(金)】
 18:30 その男、凶暴につき(1989/103分/監督:北野武)
  Violent Cop / 1989 / 103 min. / KITANO Takeshi

【2/3(土)】
 13:30 MONDAY(2000/100分/監督:SABU)
  Monday / 2000 / 100 min. / SABU
 16:00 ファンシィダンス(1989/101分/監督:周防正行)
  Fancy Dance / 1989 / 101 min. / SUO Masayuki
 18:30 月はどっちに出ている(1993/109分/監督:崔洋一)
  All Under the Moon / 1993 / 109 min. / SAI Yoichi

【2/4(日)】
 13:30 害虫 (92分)(2001/92分/監督:塩田明彦)
  Harmful Insect / 2001 / 92 min. / SHIOTA Akihiko
 15:15 講演 塩田明彦 監督
  Lecture by SHIOTA Akihiko
 17:30 カリスマ(2001/92分/監督:黒沢清)
  Charisma / 2000 / 103 min. / KUROSAWA Kiyoshi

———————-
■2、企画趣旨

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)は日本文化紹介活動の一つとして、日本映画に外国語字幕を付け、海外における上映に提供しています。このたび、日本に在住する外国の方々にも日本映画の豊かさに触れて頂く一端になればと、英語字幕付き日本映画の上映会を行ないます。

過去6回(*1)の開催に引き続く第7弾の企画として、<進化する日本映画〜EvolvingJapanese Cinema>と題し、今回は現代の日本映画を取り上げます。
日本映画は現代においても独自の発展をとげ、広く内外からの注目を集めながら、すぐれた作品群を生み出し続けています。今回の特集では、現代の最前線を担う監督たちの初期の秀作を上映します。
さらに、上映に加えて講演も行ない、現代の日本映画のエッセンスに触れるプログラムとなっております。

*1: 2004年6月 <Masters of Japanese Cinema 日本映画の巨匠と女優たち>
  2005年3月 <When Masters Were Young – 1960s
                   にっぽん60年代 巨匠たちの原点>
  2005年6月 <Flashback / Flashforward: Staging the Past
         フラッシュバック/フラッシュフォワード:過去への視線>
  2005年9月 <The Best of Japanese Horror ジャパニーズ・ホラー傑作選>
  2006年3月 <The Masters’ Gaze on Women in Hanamachi
                      巨匠が描いた花街の女たち>
  2006年6月 <The Masters and Jidaigeki 巨匠と時代劇〜>

————————-
■3、上映作品:全6作品を英語字幕付きで上映(各1回上映)

●その男、凶暴につき
1989/103分/カラー、ビスタ/配給:松竹(製作:松竹富士)
監督:北野武/脚本:野沢尚/撮影:佐々木原保志/美術:望月正照/音楽:久米大作
出演:ビートたけし、芦川誠、白竜、川上麻衣子、佐野史郎、岸部一徳

「キッズ・リターン」(96)「HANA-BI」(97)「座頭市」(03)「TAKESHIS’」(05)などが国内外で受賞し、世界から熱い注目を集める北野武のデビュー作。企画段階では主演のみの予定だったが、本名の北野武で監督もする事となり、コメディアン・ビートたけしとは別の映画監督としてのキャリアを歩む出発点となった。斬新な演出や冷徹なバイオレンス描写など、独特のスタイルがすでに試みられた衝撃の作品。暴力に暴力で対抗する刑事・我妻は署内では異端者だが、麻薬密売人が殺された事件を追ううち、麻薬組織に同僚や妹を傷つけられ、復讐を挑む。

●MONDAY
2000/100分/カラー、ビスタ/配給:シネカノン(製作:シネカノン、シネロケット、メディアファクトリー)
監督・脚本:SABU/撮影:佐藤和人/美術:丸尾知行/音楽:渋谷慶一郎
出演:堤真一、松雪泰子、安藤正信、大河内奈々子、西田尚美、大杉漣

森田芳光の「そろばんずく」(86)で俳優デビューし、「ワールド・アパートメント・ホラー」(91、大友克洋監督)で新人賞を受賞後、「弾丸ランナー」(96)で監督デビュー。「ポストマンブルース」(97)「アンラッキー・モンキー」(98)「DRIVE ドライブ」(01)「幸福の鐘」(03)「疾走」(05)など内外で好評を博す。本作は、ベルリン映画祭で国際批評家連盟賞を受賞。月曜の朝、ホテルで目覚めた光一は、昨日からの事を思い出そうとするが……普通の男が偶然で予期せぬ事態に見舞われるという得意のスタイルが、疾走感溢れるテンポで楽しめる逸品。

●ファンシイダンス
1989/101分/カラー、ビスタ/配給:角川ヘラルド(製作:大映)
監督・脚本:周防正行/原作:岡野玲子/撮影:長田勇市/美術:大橋実/音楽:周防義和
出演:本木雅弘、鈴木保奈美、大沢健、彦麿呂、田口浩正、竹中直人

ハリウッドでリメイクされた「Shall We ダンス?」(96)や、11年ぶりの最新作「それでもボクはやってない」が話題の周防正行監督が89年に発表した第2作。人気漫画を原作に、現代の修行僧たちの生活を痛快に描いた爆笑コメディ。一般には知られざる分野を取材し、その内実を織り交ぜて明るく楽しいドラマを作る独自の手法が既に発揮されている。大学生の陽平は、家業をついで寺の住職になるため、山奥の禅寺で1年間の修行をするが……。この後、再び本木雅弘主演で学生相撲を描いた「シコふんじゃった。」(92)により各映画賞を独占して絶賛された。

●月はどっちに出ている
1993/109分/カラー、ビスタ/シネカノン
監督:崔洋一/原作:梁石日/脚本:崔洋一、鄭義信/撮影:藤澤順一/美術:今村力、岡村匡一/音楽:佐久間正英
出演:岸谷五朗、ルビー・モレノ、絵沢萠子、小木茂光、遠藤憲一、有薗芳記

現・日本映画監督協会理事長の崔洋一は、大島渚の「愛のコリーダ」(76)の助監督を経て、劇場映画監督第1作の「十階のモスキート」(83)がベネチア映画祭で上映、国内でも多くの新人賞を受賞。「友よ、静かに瞑れ」(85)、「マークスの山」(95)、「刑務所の中」(02)、「クイール」(04)「血と骨」(04)など大作感溢れる作品を発表。また96年に韓国留学、99年に「御法度」に出演。ベルリン映画祭を皮切りに内外で高く評価された本作は、在日コリアンのタクシー運転手とフィリピーナを軸に、東京でたくましく暮らす人々の悲喜劇をエネルギッシュに描く。

●害虫
2001/92分/カラー、ビスタ/配給:日活(製作:日活、TBS、ソニーPCL)
監督:塩田明彦/脚本:清野弥生/撮影:喜久村徳章/美術:磯見俊裕/音楽:ナンバーガール
出演:宮崎あおい、田辺誠一、りょう、石川浩司、蒼井優、伊勢谷友介

「月光の囁き」(99)で監督デビューし、ロカルノ映画祭や国内でも受賞した「どこまでもいこう」(99)、「黄泉がえり」(03)「カナリア」(04)から最新作「どろろ」(07)まで活躍めざましい塩田明彦監督の秀作。第58回ヴェネツィア国際映画祭(現代映画部門)で上映され、ナント映画祭では審査員特別賞と主演女優賞を受賞した。 過酷な現実に反抗する少女の揺れ動く心情を描き出す青春ドラマ。中学生のサチ子は、母親の自殺未遂など不安定な状況を経て不登校となり、町で当たり屋の少年たちと知り合うが、彼らとの楽しい日々も長続きせず、居場所を失って……。

●カリスマ
2000/103分/カラー、ビスタ/配給:日活、東京テアトル(製作:日活、キングレコード、
東京テアトル)
監督・脚本:黒沢清/撮影:林淳一郎/美術:丸尾知行/音楽:ゲイリー芦屋
出演:役所広司、池内博之、風吹ジュン、洞口依子、大杉漣、松重豊

学生時代より8mm映画を制作し、相米慎二らの助監督を経て「神田川淫乱戦争」(83)で商業映画デビュー。「CURE」(97)などを契機に「ニンゲン合格」(98)「回路」(00)(ハリウッドでリメイク)、「アカルイミライ」(02)、「ロフト」(06)、最新作「叫(さけび)」(07)まで、世界の注目を集めている。「カリスマ」はカンヌ・監督週間などで上映(92年に本作のオリジナル脚本がサンダンス・インスティテュートのスカラシップを獲得)。休暇中の刑事が巻き込まれる、ある森林での”カリスマ”と呼ばれる1本の木をめぐる争いを描いた寓話的人間ドラマ。