純粋無垢な美しさ。イノセントな恐怖。
少女たちはどこから来て、どこへ行くのか?

【監督来日時には、ティーチインも行われ、連日大盛況のうちに終了したマスコミ試写】
女性監督ルシール・アザリロヴィックの描く美しい映像と耽美的な寓話が観る者を魅了し、まさに少女世界の金字塔との呼び声も高い。

高い塀で外界と遮断された森の中の学校(エコール)。7歳から12歳までの少女たちがそこで自然の生態やダンスを学んでいる。髪には学年を区別する6色のリボン。かわいらしい制服は清楚な白。深い緑の森と、青い空を映す湖の前で、妖精のように戯れる少女たち。男性のいない完璧な少女たちの世界にまた一人、6歳の少女イリスがやってきた…。

現代版「赤ずきんちゃん」とも言うべき中篇『ミミ』(96)で強烈な才能を印象付けた監督ルシール・アザリロヴィックの本作『エコール』は、大人に孵化する前の少女たちの純粋さと、底流に流れる恐ろしさを描いた傑作です。公私に渡るパートナーであるギャスパー・ノエと本作も共にインスパイアし合い、”ビザール”な感覚を伴う限りなく美しい世界の異常さを際立てていることに成功しています。
ちなみに原作は19世紀の作家フランク・ヴェデキントの小説「ミネ・ハハ(「笑う水」という意)」(ホラー映画『サスペリア』(77)の原作でもある)。

監督・脚本:ルシール・アザリロヴィック(『ミミ』)
原題:INNOCENCE
出演:マリオン・コティヤール(『世界でいちばん不運で幸せな私』)、エレーヌ・ドゥ・フジュロール(『青い夢の女』)
ベルギー・フランス合作/121分/ Dolby SRD / シネマスコープ/ 配給:キネティック
原作本:「ミネハハ」(フランク・ヴェデキント著/リトルモアより発売中) 

『エコール』公式ホームページ:http://ecole-movie.jp/

11月4日(土)より、シネマライズほか全国順次ロードショー

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