■大石内蔵助：松本幸四郎「忠臣蔵　花の巻・雪の巻」（時代劇専門チャンネル）
（1962年・東宝）−映画−
監督：稲垣浩　　　　脚本：　八住利雄
出演：　松本幸四郎（白鸚）／加山雄三／三船敏郎／三橋達也／志村喬／宝田明／夏木陽介／佐藤允／
市川中車／司葉子／原節子／星由里子／新珠三千代／森繁久彌／フランキー堺／三木のり平／
高島忠夫／上原謙／市川染五郎（現：松本幸四郎）／中村萬之助（現：中村吉右衛門）　ほか

リアルで重厚な忠臣蔵。
東宝創立３０周年を記念して作られた、東宝スター総出演の大型時代劇。
“松の廊下”の刃傷の背景を変えることで、これまでにない新しさを出しつつも、オーソドックスなストーリー展開をみせる。八住利雄の脚本は、史実や通説など多くのエピソードを丁寧に重ね、ベテランらしい丹念な作りになっている。
　見どころは、堀部安兵衛（三橋達也）が、俵星玄蕃（三船敏郎）が吉良の用心棒になったと聞いて、闇夜に酔った足取りの玄蕃を襲うところ。安兵衛の正体を見破り、豪快に笑い飛ばす玄蕃の様子から、志を同じくする者同士、語らずともわかる男の友情がドラマチックに描かれている。
討ち入りのシーンでは、義士に迫る手持ちのカメラを用いて、その場の臨場感を写実的に伝える稲垣浩らしい演出が冴える。貫禄ある松本幸四郎演じる、落ち着いた魅力の内蔵助とともに大人の忠臣蔵といった感がある。
12/22（土）、12/24（月）、12/26（水）、12/28（金）、12/31（月）

□時代劇専門チャンネル
http://www.jidaigeki.com