過酷な戦場で生まれたこの「命」を護りたい

『セイヴィア/SAVIOR』
1997年/カラー/アメリカ映画/上映時間103分

<INTRODUCTION>
本作『セイヴィア』は、『プラトーン』『7月4日に生まれて』でアカデミー監督賞
に輝くオリヴァー・ストーンが、満を持して世に問う戦争巨編最新作です。折りしも
本年は『エニイ・ギブン・サンデー』『NYPD15分署』等製作・監督作品が目白押しで
久々のオリヴァー・ストーンブーム到来の予感充分。本作では苛烈な戦闘の中で生ま
れた「命」を護る為にたった一人で闘う傭兵の姿を通して、民族間の憎しみや極限時
の人間の残酷さを彼一流の視点で描写しています。

主演は『エニイ・ギブン・サンデー』にも出演し、『ストーン・ファミリー』の一員
とも言うべきデニス・クエイドと、『ワン・ナイト・スタンド』『ファーザーズ・デ
イ』で強烈な存在感を示したテスターシャ・キンスキー。更に『グッド・ウィル・ハ
ンティング/旅立ち』『ディープ・ブルー』等で渋い演技を見せつけたステラン・ス
カルスゲールド等のバイ・プレーヤー達が結集しました。監督は、本作に戦場のリア
リティーを加えるため、オリヴァー・ストーンの多大なる信頼をうけたユーゴスラビ
ア出身の新鋭ピーター・アンドニエヒッチ。

本作は『戦争の世紀』と云われる20世紀を総括すると共に、来るべき21世紀に語りつ
がれるべき『戦争の悲惨さ』を余すところなく描いた戦争映画の傑作なのです。

<STORY>
過酷な戦場、そこに一人の男がいた。
国籍も本名も剥奪され、ただ名誉のためだけに戦う狙撃兵として…。
1990年代初頭、泥沼の民族戦争による戦禍に喘ぐボスニア。爆弾テロで家族を失った
アメリカ人傭兵ギイは、激しい戦闘で己の人間性も失いつつあった。そんな折、彼は
捕虜交換により敵方より引渡された妊婦ヴェラを自宅に送り届ける命令を受ける。

その途中ヴェラは産気づき女児を出産するが、家族は敵の子を宿した彼女の受容れを
拒否する。ギイは、家族に見離された母子を仕方なく国境周辺の避難施設に連れて行
くことにする。最初は子供に全く関心を示さなかったヴェラが、徐々に母性に目覚め
るのを見たギイもまた、人間としての感情を思い出し、この母子を護る決意を固める
のだった。しかし、彼等の行く先には過酷な運命が待ち構えていた。

『なぜ憎しみあう!なぜ傷つけあう!』ギイの悲痛な叫びが戦場にこだまする…。

<STAFF>
製作:オリヴァー・ストーン、ジャネット・ヤン
監督:ピーター・アンドニエヒッチ
音楽:デビッド・ロビンス
脚本:ロバート・オア

<CAST>
デニス・クエイド
テスターシャ・キンスキー
ステラン・スカルスゲール