『亡霊怪猫屋敷』
1958年/69min/新東宝/大シネスコ/パートカラー ※ニュープリント上映

<INTRODUCTION>
戦前は鈴木澄子、戦後は入江たか子主演で製作された“化け猫映画”を、大胆な
手方でアレンジした常識破りの一作。現代をモノクロ、恐ろしい過去の因縁をカラ
ーで表現、単なる昔話の怖さではない、リアリティのある恐怖を打ち出すことに成
功している。

<STORY>
久住哲一郎(細川俊夫)が故郷に帰り、妻頼子(江島由里子)の病気療養も兼ね
て病院を開業した家は、幽霊屋敷と呼ばれていた。頼子は気味の悪い老婆の夢ばか
り見、その老婆が実際に現れて命を狙い始める。久住は檀那寺の和尚から、それが
化け猫の怨霊の仕業だときかされる。
昔、屋敷に家老の石堂左近将監が住んでいた。彼は碁の師匠竜肝寺小金吾(中村
竜三郎)をいざこざを起こして殺してしまい、若党の左平治を脅して死体を壁に塗
りこめてしまったのだった。息子小金吾の安否を訪ねてきた母宮路は将監に犯され、
愛猫に怨みを言い聞かせて自害してしまう。怪猫となった猫は将監の母を殺し、乗
り移ると、将監一家を皆殺しにしてしまった。頼子の先祖は左平治だった。現れた
老婆は左平治が塗った壁に消え、その中から小金吾の白骨が現れて、頼子の病は回
復していった。

<STAFF>
脚本:石川義寛、藤島二郎
撮影:西本正
美術:黒沢治安
音楽:渡部宙明

<CAST>
細川俊夫
北沢典子
中村竜三郎
江島由里