昨年、第8回大学読書人大賞(※)を受賞した「いなくなれ、群青」(「階段島」シリーズ)の著者・河野裕の原点にして最高傑作「サクラダリセット」シリーズが実写映画化されることとなりました。前後篇の2部作連続にて、2017年春、全国ロードショー致します。

住人の半数が特別な能力を持つ街、咲良田(サクラダ)。主人公の浅井ケイ(あさい けい)は、過去に体験したことを決して忘れない「記憶保持」能力を持つ高校生。ケイといつも行動を共にするのは、「リセット」世界を最大3日分巻き戻す能力を持つ春埼美空(はるき みそら)。但し、彼女自身の記憶も「リセット」されてしまい、巻き戻った時間を覚えていない。ケイだけは「記憶を保持」しているため、2人が一緒にいることで世界を最大3日やり直すことができるのだ。ケイと春埼には、取り戻せない「過去」があった。それは、2年前に「リセット」の影響を受けて死んでしまった同級生・相麻菫(そうま すみれ)。彼女を救おうと咲良田の能力を取り締まる管理局と対峙するが失敗に終っていた。以来、ケイは管理局にマークされながらも、咲良田に集うさまざまな能力者とめぐり合うなかで、彼らの能力を組み合わせれば死んだ相麻を再生できるのでは、と考えはじめる…。

主人公の浅井ケイを演じるのは、『ちはやふる 上の句・下の句』「好きな人がいること」の野村周平。映画・ドラマなどで幅広く活躍し作品ごとに多彩な表情を魅せる彼が、映画主演5作目にして2部作巨編に挑みます。
ヒロインの春埼美空役には、「時をかける少女」での瑞々しい演技が記憶に新しい黒島結菜。今最も注目を浴びる2人が初共演を果たし、「リセット」という能力を絆に絶対的な信頼で結ばれている関係を紡ぎます。さらには、本作のストーリー展開のキーパーソンとなる相麻 菫役に平 祐奈、劇中でギターと歌にも挑戦する中野智樹(なかの ともき)役に健太郎、強力な〝能力″を披露する村瀬陽香(むらせ ようか)役に玉城ティナ、今回、自身初の金髪で役に挑む岡 絵里(おか えり)役の恒松祐里らフレッシュな共演者たち。映画界の未来を担う豪華若手実力派俳優陣が集結しました。 

本作は、2009年に角川スニーカー文庫より発刊された、河野 裕のデビュー作。独特の透明感溢れる筆致で綴る青春ミステリーは、若者から圧倒的な支持を集め、全国の書店員からも大絶賛を受けました。〝能力〟を巧みに組み合わせた非凡なストーリーと、それぞれの信念を持ちつつもどこか脆い部分がある魅力的なキャラクターたちが人気を博す中、2012年、全7巻でシリーズを完結。すべての伏線が美しく収束する物語の完成度の高さが大きな驚きと感動を与える傑作シリーズが誕生しました。

数多くのヒット作を生み出し続ける『僕だけがいない街』『青空エール』のプロデューサー 春名慶が、『神様のカルテ』シリーズの監督 深川栄洋とタッグを組み、満を持して前後篇2部作にて実写映画化、さらにはTVアニメーション企画が進行中。シリーズ完結以降も根強く指示され続けてきた原作も、大幅な修正を加えた新装版が、角川文庫より7ヶ月連続刊行されることが決定。(9/24〜毎月25日発売)。コミカライズ、ノベライズといった周辺アイテムも内包する多面展開のメディアミックスプロジェクトとなっています。
咲良田(サクラダ)に集う〝能力〟を静かに愛し守ろうとする少年と、その少年をただひたすらに信じ続ける少女が、幸福な結末を願って「過去を〝巻き戻す〟」前篇、「未来を〝祈る〟」後篇—『サクラダリセット 前篇/後篇』は、2017年 春 2部作連続にて全国ロードショーです。

※大学読書人大賞:全国の大学文芸サークルによる投票と評論と議論によって、大学生に最も読んでほしい本を選ぶ年に1度の催し

【コメント】
◆原作者 河野 裕氏
この度は題材に『サクラダリセット』を選んでいただき、光栄です。監督、プロデューサーをはじめ、 スタッフの皆さまは非常に信頼できる方々で、原作者の私は安心してなりゆきを見守っております。脚本の初期の段階では意見を出させていただいたところもありますが、採用されたところも、そうでないところも、心から納得できるストーリーになっております。しっかり映画としての『サクラダ』を作っていただけている手ごたえがあり、現状ではもう、なにも言うことはありません。咲良田という街をみられる日を、楽しみにしております。

◆春名 慶プロデューサー
『サクラダリセット』はまず、何よりもストーリー展開に引き込まれました。
主人公の浅井ケイという少年が、何を目指して、何を獲得していくか。それさえ見失うことがなければ、ルールの複雑さは大きなハードルとはならない。クールな彼の中で燃え続けている祈りにも似た想い、その熱をみんなが追いかけ、応援してくれると考えたのです。予測不能な大どんでん返しと散りばめられた伏線の美しい回収、そんな壮大な青春ミステリーを映画化するにあたり必然的に、前篇、後篇の二部作にたどり着きました。
苦悶の表情をスマートに見せる野村周平くん。彼本来のキャラクターとのギャップも面白いと考えました。原作を読んで最初にヒロイン像として浮かんだ黒島結菜さん。『青空エール』で出逢ったとき既に圧倒的な貫禄があった平祐奈さん。この三角形のバランスを思い描けたとき、この企画がかたちになりました。そして、将来が嘱望される俳優たちと深川監督がどんなイノベーションを起こすのか。僕自身が楽しみにしています。

◆深川栄洋監督
初めて原作を読んだとき、集中力が高まる感覚がありました。時間が巻き戻り、別の能力者が現れる。
いま、自分の手持ちの材料だけでは最後まで追いかけられそうになく、新しい価値観を作りながら進んでいかなければならないと感じました。これから先、何が待っているのだろう? 読み進めていくと、何か「鍵」が手に入るような気がしました。
例えるならば、美術館で、壁にかかっている一枚の絵を見ている。絵には額縁があるが、実はその壁さえも絵の一部だったーー。前篇はそんなふうに終わります。そうして、いよいよ後篇が始まります。僕たちの
中にあるフレームや境界線が壊れるとき、映画的な瞬間が訪れることを祈りながら。新しい体験ができる新しい映画を作りたいと思います。

◆野村周平—浅井ケイ役:過去に体験したすべてのことの「記憶を保持」する〝能力〟を持つ高校生。冷静沈着。
僕が演じる浅井ケイというキャラクターは、頭がきれてクールな少年です。彼は、「記憶保持」という辛いことも幸せなこともすべて覚えている、能力を持っています。役を通して、彼が春埼と一緒に明るい未来を過ごしていけたらなと思います。
今回は2部作の主役ということもありセリフも多く、特別な能力の持ち主という今までに演じたことがない役柄なので、挑戦的な部分もあるし、頑張りたいです。撮影が始まったばかりなので、どうなるのか全くわからず、お客さんの反応が想像できない作品ですが、そこがまた楽しみです。
約2ヶ月間の撮影ですが、みんなで楽しく頑張って、最後にみんなで笑いたいです。
参加するからには悔いが残らないように、素晴らしい作品にしたいと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=NzHf4qDyJB4

◆黒島結菜—春埼美空役:「リセット」世界を最大3日分巻き戻す〝能力〟を持つ女子高生。
最近元気で明るい役が多かったのですが、今回はおとなしくて控えめな女の子を演じます。
感情の起伏があまりないので、細かい部分での揺れみたいなものを大事にしたいと思っています。
大きい変化がないので、セリフ以外でもしぐさとか表情など小さい変化でも伝えられるように頑張りたいです。
ケイの隣に寄り添うように、安心してもらえる存在でいられたらいいなと思います。
前篇から後篇に向けて春埼も成長していくので、楽しみにしていてください。
https://www.youtube.com/watch?v=o7iA1RjC_R4

◆平 祐奈—相麻 菫役:2年前に「リセット」された世界で死んでしまったケイと春埼の同級生。
今回、初めて前髪を作り、新たな自分になってから撮影が始まるので、とてもわくわくしています。
それぞれのキャラクターが濃く、脚本にどんどん惹きこまれました。相麻菫という役に対して不安もありますが、深川監督やキャストの皆さんと良い作品を作り上げられたらいいなと思います。これからの撮影も楽しみたいです。前篇を観て、“後篇も観たい!”と思ってもらえるよう、パワフルに演じたいと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=XbrlBmzOjPU

◆健太郎—中野智樹役:離れたところに時空を超えて「声」を届ける〝能力〟を持つ。音楽が好き。
その場にいない人に、時空をも超えて声を届けることができる、ラジオDJのような素晴らしい能力をもつ役を演じることができ、すごくわくわくしています。今回はギターと歌にも挑戦するのでヤバいぞと思いつつも最大限の力で取り組みたいです。智樹は、他の能力者と比べて元気で明るく、ケイにとって唯一心が許せる友達だと思うので、ケイとの距離感を意識して演じたいと思います。前篇・後篇にわたって、どう役を作っていくのかを考えている時間が楽しいです。
https://www.youtube.com/watch?v=Dgi4NJPEGmM

◆玉城ティナ—村瀬陽香役:自分でコールした「モノを消す」〝能力〟を持つ。奉仕クラブの幽霊部員。
脚本を読んで、実際に能力をもった人たちがいる街があったら面白いなと思いました。私が演じる村瀬陽香は、内にエネルギーを秘めていて、誠実だけど感情の出し方が分からず、強がってしまう部分があるので、そこは自分と似ているなと思いました。監督からお話し頂いたように、感情の起伏が激しく見えるように心がけて演じたいと思います。前篇・後篇という壮大な作品の中で、村瀬も大事な役なので、張り切っていきたいです。
https://www.youtube.com/watch?v=Wzuwsrd-Kks

◆恒松祐里—岡 絵里役:「記憶を操作」する〝能力〟を持つ。赤い目をしていて、管理局の協力者。
能力を持つ、インパクトのある役をやると聞いて、自分の殻を破れそうで楽しみだなと思いました。衣装と髪の毛、カラーコンタクトが、役になるのを助けてくれています。岡 絵里は、昔の自分から変わろうと、常に悪役になろうとするけれど、逆方向に空回ってしまうので、その感じをどう気持ちを込めて演じようかと思っています。
動の部分が多い役なので、物語をどんどんかき乱していけるようなお芝居ができるようにがんばります。
https://www.youtube.com/watch?v=DJ_SFUtgBl4

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執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa