映画『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』予告編完成&ラース・クラウメ監督来日決定

映画『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』(配給:クロックワークス/アルバトロス・フィルム)が、2017年1月よりBunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開致します。
本作は、長らく封印されていたナチス・ドイツ最重要人物アドルフ・アイヒマン拘束に関する<極秘作戦>の裏側の真実を濃密かつサスペンスフルなタッチで描ききり、ドイツ映画賞で作品賞、監督賞、脚本賞など最多6冠に輝いたほか、世界中の映画祭を席巻。ドイツやヨーロッパ公開時に多くの動員を記録し、先頃公開されたアメリカ国内でも、ロサンゼルス・タイムズ紙が「映画全体に力を与えているのは、ベテランドイツ人俳優ブルクハルト・クラウスナーの説得力ある演技だ。彼はバウアーの熱狂的な強烈さを正確に捉えている。」と評した他、各紙がこぞって絶賛評を掲載するなどして話題となっているスリリングなサスペンス・ドラマです。
この度、予告編映像が解禁!!検事長フリッツ・バウアーの元へ、 “アイヒマンは偽名を使い、ブエノスアイレスに潜伏中です” という一通の手紙が届く。バウアーは、アイヒマンをドイツの法廷で裁くため、国家反逆罪に問われる危険を冒しながらも諜報機関《モサド》と接触、更にはナチス残党の妨害を受けつつも、次第に彼を追い詰めていく姿が映し出されています。そして映像は「狩りはお好きですか?」「好きだ、悪党を狩るのがな」という正義と信念を貫こうとするバウアーらしいセリフで締めくくられています。
◆Youtube予告編URL https://youtu.be/cNoEuZM0j9c
そして更に、本作のメガホンを取ったドイツの気鋭、ラース・クラウメ監督の来日が決定!
10月15日(土)から開催されるドイツ映画祭2016「HORIZONTE」でのジャパン・プレミアへ登壇する運びとなりました。
世界中で絶賛され、映画ファンならずとも必見の本作をいち早く見ることのできるチャンスです!
https://www.goethe.de/ins/jp/ja/ver.cfm?fuseaction=events.detail&event_id=20826109
監督・脚本:ラース・クラウメ/LARS KRAUME 1973/2/24:イタリア・キエーリ出身。ドイツ・フランクフルト育ち。短編映画「LIFE IS TOO SHORT TO DANCE WITH UGLY WOMEN」(96)でトリノ映画祭短編賞を、「Dunckel」(98・テレビ映画)では優秀なテレビ番組に贈られるグリンメ賞監督賞受賞。「コマーシャル★マン」(01)で長編映画監督デビュー
。ドキュメンタリー・テレビ映画を数多く手がける俊英。
フリッツ・バウアーはとても非凡な人物で、映画の主人公向きの燦然と輝く人物だ。ホロコーストについて話したがらないほとんどの犠牲者たちと取る行動がまったく違う。圧倒されてしまうようなとてつもない圧力を受けるのに、それでもナチス党員たちを告発しようとする。それは復讐ではなく、人本主義的精神、そして人々を教育したいという意識から。波乱に富んだ彼の人生でとりわけ緊迫に満ちたアドルフ・アイヒマンの追跡を核に据えたのは、第二次世界大戦後に悲観し、打ちひしがれてドイツに戻ってきたけれど、「意識の風化」との闘いに自身の存在意義を見いだした男の贖罪の物語を語りたかったからだ。フリッツ・バウアーのさまざまな伝記はもちろんのこと、たくさんの本を読んだ。バウアー一派の最後の生き残りである検察官のゲルハルト・ヴァイス(Gerhard Wiese)とも会った。知識にあふれた鋭く優秀な人物で、フランクフルトの当時の検察局の状況や上司としてのバウアーがどういう人だったのかを教えてくれた。すごく参考になったよ。それに加え、フリッツ・バウアー研究所の職員たちと何度も濃密で触発されるやりとりをした。
我々が21世紀になってもフリッツ・バウアーから学べることはたくさんある。考えうる限りの圧力があったとしても、大義のために邁進することに勇気をもち、粘り強くゴールを目指すべきということ。フリッツ・バウアーは「復讐に燃えるユダヤ人」として反対勢力にあい、生涯にわたり手強い敵に囲まれ続けた。ドイツ当局はひとりも彼に協力したがらず、あの手この手で彼を妨害しつづけた。「執務室を出ればそこは敵のいる外国だ」という伝説的なこの声明は彼から出てきたものだ。それにも関わらず、最後に彼は成し遂げた。僕にとっては真のヒーローなんだ。この映画にはサスペンスがある。アウトサイダー対全権力、という古典的な闘い———これは架空の漫画の世界じゃなく、本当にあったことだ。簡潔に言えば、感情に訴えかけてくる、時代を問わず人々を鼓舞し続けるヒーローの物語なんだ。
監督・ラース・クラウメ
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執筆者
Yasuhiro Togawa