ジャニス・ジョプリン、27歳の肖像。『ジャニス:リトル・ガール・ブルー』、ポスタービジュアル&予告篇解禁!!

今も人々を魅了してやまない伝説に包まれた生涯。
ひそかに書き綴られていた手紙が開封され、今、等身大の「ロックの女王」が私たちの前に現れる。
「音楽史上最高の女性スター」と称される伝説のシンガー、ジャニス・ジョプリン。ベトナム戦争や公民権運動、ウーマンリブといった反体制の波にアメリカが揺れ、あらゆるカルチャーが花開いた混沌と変革の時代、彼女の存在は社会現象を巻き起こし、1970 年 10 月 4 日、27 歳の若さでこの世を去るまで、その激動の真っただ中を全速力で駆け抜けた。派手なボヘミアン・ファッションを身にまとい、臆面もなく「私だけを愛して!」としゃがれた声で高らかに歌いきる彼女の奔放な生き様は、世界中の若者たちを熱狂させ、自分らしく生きたいと願うあらゆる世代の女性に勇気を与えた。
本作を監督したのは、『フロム・イーブル〜バチカンを震撼させた悪魔の神父〜』(06)がアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた気鋭のドキュメンタリー監督エイミー・バーグ。製作は、公開中の『ミスター・ダイナマイト:ファンクの帝王 ジェームス・ブラウン』を監督した、アレックス・ギブニーが務めている。
ジャニスが亡くなった年に生まれたという監督は、妹弟やバンド仲間、恋人などの全面協力のもと、ジャニスが生前書き綴っていた貴重な手紙の数々を開封していく。映画では、今まで明かされることのなかったジャニスの声を聴くことができる。その他にも、名曲「サマータイム」のレコーディング中の映像や、モンタレー・ポップ・フェスティバル(67)や、ウッドストック・フェスティバル(69)のライブ映像など、1960 年代の貴重なジャニスの映像も満載だ。
今回解禁された予告では、ビートニク詩人マイケル・マクルーアとジャニスが書いたアカペラの歌「ベンツが欲しい」(MercedesBenz)にのせて、ジャニスの幼いころの写真や貴重なライブ映像のほか、関係者によるジャニスについての証言を聞くことができる。これまで二度のグラミー賞を受賞したメリッサ・エスリッジは、女性アーティストとしてはじめて時代を切り開いたジャニスを「ロック界のジャンヌ・ダルク」と表現。さらに、グラミー賞 3 冠、全世界で 6000 万枚セールスを誇るスーパースターP!NK は「心の痛みやつらい現実を隠そうとしなかった」と回想している。本作のナレーションを担当したのは、アルバム「You Are Free」により世界中の注目を浴び、カルチャー的アイコンとしても名を馳せるキャット・パワーことショーン・マーシャル。監督のエイミー・バーグは、たまたまインターネットでキャット・パワーのインタビュー映像を観て、ジャニスの複雑でエモーショナルな気持ちを表現できる人はこの人しかいない、と直感的に思ったそうだ。ジャニスの手紙を朗読するという大役について、キャット・パワーは以下のように語っている。
「ジャニスを傷つけてしまうんじゃないかと思って怖かったわ。彼女は漫画のキャラクターなどではなく、熱いハートをもったひとりの女の子だったのよ。でも、彼女の手紙を読んで心が動かされたの。わたしも、故郷の南部を飛び出してきて、家族の中では変わり者の一人だった。ジャニスの手紙は、私自身が祖母に宛てて書いた手紙を思い出させたわ。自分が書いたものかと錯覚するくらいだった。彼女の最後の手紙を読むのは、本当に辛くて取り乱してしまった。でも、彼女が近くで私を励ましてくれていると思ったら、なんとか乗り越えることがきでたわ。」
関連作品
http://data.cinematopics.com/?p=54966
執筆者
Yasuhiro Togawa