世界を変えなければならない—。学生、社会人、俳優、映画監督…立ち上がれ!
ジャン=リュック・ゴダールが最も政治的だった時代——「ジガ・ヴェルトフ集団」期の10作品を一挙上映!

原発問題、憲法改正、安保法制…誰もが「政治的」にならざるを得ないニッポンの現在。私たちは自らを取り巻く「政治」をどのよう考え、対応すればよいのか?この上映は、およそ半世紀前にゴダールらが実践し制作した諸作品に触れ、そのユニークな映像と音を経験しながら私たちの意識や行動への触発になることを期待し、企図されました。そして、「ヌーヴェル・ヴァーグ」の鬼才として、孤高の現代映画作家としてイメージが強くシネフィルとよばれる熱心な映画ファンたちの支持を受けるゴダール作品を、別の角度から再発見する試みでもあります。
「難解」とも言える作品群を一週間という短期間で、一気に浴びるように見ることができるタイムテーブルを組んでいます。広く多くの方たちにご覧頂けるようにリーズナブルな「一日券」(\2,500)も準備しました。また、上映期間中にはゴダール研究で知られる堀潤之氏(映画研究/関西大学教授)による作品解説テキストの配布も予定しております。
「とにかく見る!」「考える!」「つぶやく!」「話し合ってみる!」、観る人たちのフレッシュな映画体験に繋がることを期待するこの特集上映に注目ください。

【上映作品】
◆ウイークエンド(1967/104分/カラー)
週末に都会を抜け出したブルジョワ夫婦に襲い来る狂気と悪夢。ゴダールが商業映画との決別を告げた傑作!
◆ありきたりの映画(1968年/108分/カラー・モノクロ)
五月革命の直後パリの街頭をとらえた美しい白黒映像とともに、いま、68年5月の息吹が生々しく甦る!
◆たのしい知識(1968-69年/93分/カラー)
映像と音について、言語について、議論を交わす2人の男女。ジャン=ピエール・レオ出演、幻の実験作!
◆ブリティッシュ・サウンズ(1969年/52分/カラー)
ユニオンジャックを突き破る拳!羅列される数々の映像と音から資本主義の本質を描き出す。
◆プラウダ(真実)(1969年/61分/カラー)
カルト的な人気のあるチェコ映画『ひなぎく』。その監督への取材などから探る資本主義と共産主義の関係。
◆イタリアにおける闘争(1969年/60分/カラー)
革命運動に参加する女学生の日常の映像。ブルジョワ構造と矛盾を炙り出す野心作。 
◆東風(1969-70年/93分/カラー)
西部劇の解体!アメリカ映画の支配的なイデオロギーを問い直す闘争の映画!アンヌ・ヴィアゼムスキー出演!
◆ウラジミールとローザ(1971年/96分/カラー)
「シカゴ・エイト」裁判に基づいた破壊的な笑いに満ちた革命喜劇!
◆万事快調(1972年/96分/カラー)
イヴ・モンタンとジェーン・フォンダを起用した4年ぶりの商業映画復帰作!
◆ジェーンへの手紙(1972年/52分/カラー・モノクロ)
雑誌に掲載されたジェーン・フォンダ写真。『万事快調』の主演女優を写したこの1枚を考察する映像エッセイ。

●提供・配給:アイ・ヴィー・シー

2016年6月4日(土)からポレポレ東中野にて1週間限定上映!

執筆者

Yasuhiro Togawa