名匠 東 陽一監督、直木賞作家 井上荒野原作『だれかの木琴』初日&ビジュアル解禁

『もう頬づえはつかない』(79)、『絵の中のぼくの村』(96)、『わたしのグランパ』(03) などを手掛け、ベルリン国際映画祭銀熊賞を始め世界中で多くの映画賞を受賞している名匠、東陽一のもと、常盤貴子×池松壮亮が豪華初競演を果たした『だれかの木琴』が2016年9月10日(土)に、有楽町スバル座、シネマート新宿ほかにて全国公開となることが決まった。またフライヤーとポスタービジュアルも同時発表となった。
ふとした心の隙間に入って来た美容師の男に、どうしようもなく心が囚われていく、ごく普通の主婦の常軌を逸した強い〈執着〉と、そんな女の飢餓感を見つめる男の〈想い〉が重なり合いねじれていく、男と女の関係をスリリングに描いた大人のサスペンスだ。原作は直木賞作家の井上荒野。
主人公小夜子を演じる常盤貴子は、女性が心の奥底に抱える孤独と葛藤を、リアルな狂気と匂い立つようなエロスで繊細かつ大胆に演じ、女優として新たな代表作をここに打ち立てた。そんな小夜子と正面から対峙する海斗を演じるのは、2014年の映画賞を総なめにした、池松壮亮。ほか、小夜子の夫に勝村政信、海斗の恋人に佐津川愛美ら実力派が集結した。
スマートフォンが普及し、SNSで簡単に人と繋がれ、他人の動向が追えてしまう現代、誰もがストーカーとなる危険をはらんでいると言っても過言ではない今の時代。どこにでもいる主婦の小夜子に、本当は何があったのか──最後にそれに気づいた時、観る者の心にある孤独も解き放たれていく、魂の共鳴の物語だ。
フライヤービジュアルは美容師の海斗が小夜子の髪を触った時に、同時に心にも触れてしまったカットを大胆に配置。またポスターは、フライヤーのカットに加え小夜子がモラルのボーダーを越えていこうとする踏切前のカットを合わせて、よりサスペンス色を効かせたデザインとなった。
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執筆者
Yasuhiro Togawa