この度、映画『虎影』のブルーレイ・DVD を 2016 年 1 月 6 日に発売することとなりました。斎藤工主演、世界が注目する新時代のアクション・エンタテインメント作です。

ブルーレイ・DVDの発売を前に、『進撃の巨人』特殊造型プロデューサーを務め、世界も注目する鬼才・西村喜廣監督にオフィシャルインタビューを行い、国内外での手ごたえ、撮影秘話などを聞きました。

■本作はシッチェス・カタロニア国際映画祭ほか、海外の映画祭にも出 ■本作はシッチェス・カタロニア国際映画祭ほか、海外の映画祭にも出品されましたが、日本と海外での観客の反応の違いはいかがでしたか?

西村喜廣監督(以下、西村):まず最初から拍手なんですよ。いきなり冒頭からダーンって血が出るじゃないですか。
まずそこで拍手でウォーとなって、その盛り上がりがずっと続いていく、というのが大きな違いですね。シッチェスは結構大きい映画祭で、ファンタ系映画祭の中ではお客さんが上品なんですけど、その前にブリュッセル・ファンタスティック国際映画祭に行ったときは、映画を観ながらお客さんが突っ込むんですよ。「そうじゃないだろー」とか「そこ面白いね」みたいなことを上映中にずっと言っていて、すごく面白くなると全員が歌いだすんです(笑)。
日本だと、つまらなくても面白くても基本的にその場ではあんまり何も言わなくて、後からじわじわ感想が伝わってくる。それはそれでいいけれども、海外では反応がはっきりしていて、座席の後ろから見ていても、ああ、面白いんだな、とか今怖がっているんだな、とかいう観客の反応が上映中に分かるので、楽しいですよね。日本では映画は芸術、という考え方があって、僕の中では「そうじゃないんだよな」という思いも若干あるので、海外での反応のほうが気持ちとしては合致します。でも日本では面白かったらもう一回観に来てくれる人がいる。それは日本の観客のよいところですね。

■とにかく過酷な現場だったとのことですが、その中でも俳優陣、スタッフに対して「これはよくやってくれた」というシーンはありますか?

西村:「過酷だった」といいつつ、みんな楽しんでたじゃん、というのはあるんですけど(笑)、最後のシーンで虎影(斎藤 工)が塀を登りきった後に、月影(芳賀優里亜)やリクリ(津田寛治)たちが堀の中へ落ちていった後から最後までのアクションシーンは、全部、朝から夕方までの 1 日間で撮っているんです。たまたまその日がどしゃぶりの雨になってしまって、その日の撮影はみんな過酷だったと思いますね。アクションに関しては撮影現場では僕がテストや練習はさせないってことを現場スタッフがわかっているので、スタッフも俳優も前もって準備してくる。そのうえ、安全を確認したうえで撮影に臨んでいるので、激しいアクションも問題はなかったですね。その壮絶なラストシーンは見所です。

■ブルーレイ、DVDで楽しむにあたっての見 DVDで楽しむにあたっての見所を教えてください。

西村:僕の映画は全カットの絵コンテを自分で描くっていうのもあるし、もともといろんな仕事をしてきて照明部での仕事も長かったので、このシーンが暖色系だったら次のシーンはブルーっぽい寒色系にするとか、キャラクターに合わせて照明の色を変えたりとか、全編を通して照明の色の羅列をきっちり計算してやっているんです。ブルーレイ、DVDで繰り返し見るのであれば、そこに注目してみると面白いと思います。

「虎影」
2016 年1 月6 日 ブルーレイ&DVD 発売
価格:ブルーレイ¥5,000 DVD¥4,000 (税抜)
発売元・販売元:ハピネット 提供:応援団 (C)2014「虎影」製作委員

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執筆者

Yasuhiro Togawa