映画『白い沈黙』繊細か?不気味か?竹中直人さん、ミステリー作家ら 熱いコメント続々到着!
カナダの名匠 アトム・エゴヤンが贈る サスペンス・ミステリー
この度、第67回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、大きな話題となったアトム・エゴヤン最新作の『白い沈黙(原題:THE CAPTIVE)』の初日が10月16日に決定いたしました。また、公開に先駆けて本作を鑑賞した著名人から熱いコメントが続々と到着しております。
ある吹雪の日、9歳の少女・キャスが失踪した。父親のマシューは誘拐を主張するが、物的証拠や目撃情報は一切なく、逆に刑事たちから疑惑の目を向けられる。やがて捜査も完全に行き詰り、8年の月日が経ったある日、キャスの生存を仄めかす手がかりが次々と浮上する。それはいったい誰が、何のために発したサインなのか。彼女は本当に今も生きているのか。やがてマシューの行く手に待ち受けていたのは、空白の8年間をめぐる想像を絶する真実だった—
観客を幻惑し、挑発するかのように時系列を複雑に錯綜させ、なおかつ欠落したパズルのピースを埋める鮮やかな手並みで、少女失踪事件を描くのは、カナダの名匠アトム・エゴヤン。主人公・マシューを演じるのは、『[リミット]』『デンジャラス・ラン』のようなサスペンス快作からコメディまで多彩な役どころをこなすライアン・レイノルズ。加えて、ミレイユ・イーノス(TV「THE KILLING〜闇に眠る少女」、『デビルズ・ノット』)、ロザリオ・ドーソン(『トランス』『シン・シティ 復讐の女神』)、スコット・スピードマン(『死ぬまでにしたい10のこと』)ら充実のキャストが集結!映画ファンのみならず、ミステリーファンの感性を刺激するサスペンス・ミステリーが誕生しました。
<著名人コメント>【順不同】
なんて不気味な映画だ!まるでパズルを組み合わせるように引き込まれてゆく!そして途轍もない事実に愕然とするのだ!
—竹中直人さん(俳優・映画監督)
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作品に登場する大人たちは、それぞれに苦悩を抱えた精神の囚われ人だ。だが、誘拐された少女は自由を奪われても、自分を見失わなかった。彼女の強さとその知性に、新潟少女監禁事件の被害者が重なった。
—松田美智子さん(作家・「新潟少女監禁事件」)
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悲憤と不条理の恐怖ミステリだ。カナダの田舎町で起きる少女失踪事件。
時系列を巧みに動かすことで、登場人物の憤怒と絶望がこれでもかと炙りだされる。
事件の背後にうごめく人間たちの歪んだ欲望に慄然とした。
—深町秋生さん(作家・映画『渇き。』原作者)
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開巻間もなく観客は時系列の錯綜によって、これがありきたりなミステリーではないことに気づかされる。だが気づいた時には、もうアトム・エゴヤンの術中にはまっているのだ。不安と緊張が途切れることのない112分!
—中山七里さん(作家・映画「さよならドビュッシー」原作者)
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ある日中断された人生が、関係者たちの心を捕らえ、苦しめ続ける。迎え撃たなければいけない悪の狡猾さがこれでもかと誇示される中盤は悶絶しながら観た。誰の家にも起こりうる悲劇を描いた圧巻の犯罪映画だ
—杉江松恋さん(書評家)
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繊細なエディトリアルで時を前後させつつ、アトム・エゴヤンは<少女失踪>モノに見たことのない新鮮なルックを与える。まさに真性変態の名匠というしかない。
—滝本誠さん(映画評論家)
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捜査官を演じるロザリオ・ドーソンに惹かれた。いつも知的かつパワフルで笑顔がキュートな女優。彼女の活躍を祈りながらも、予想以上に厳しい展開に目を覆いたくなった。最悪だ、と思わず声が出た。ドライな映画だ。
—三宅唱さん(映画監督・『THE COCPIT』)
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何より雪が怖い。実際の出来事、そこにあった物だけでなく、人の思惑も、温もりも、時間の感覚までも覆い尽くし、奪い去る。静寂と冷たさに幻惑される。雪の存在がなかったら、この物語はまったく違うものになっていたはずだ
—乃南アサさん(小説家)
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先の見えない白銀世界の中で、人々が絶望に打ちひしがられて彷徨う。だが、愛する者の体温に触れた瞬間、何もかもが氷解する。溶け始める沈黙のなんと美しいことか
—白石和彌さん(映画監督・『凶悪』など)
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喧騒と静謐は、隣り合わせにあること(裏返しではなく)が絶えず思われる。
歌とため息の境目にだけあなたは立ち止まる、降り積もる視線だけが、いずれ溶けてしまう誠実の証明になりうる。
ダンスは心を削ることだ。
—山戸結希さん(映画監督)
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狡猾な誘拐犯、無力な警察と闘い続ける被害者たち。エゴヤンが冷ややかに描き出す現代犯罪の実態は、観る者を震撼させずにはおかない。
—香山二三郎さん(ミステリー評論家・コラムニスト)
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真実というものが、優しかったり美しかったりすることは滅多にない。自分が求めていたものであったことも、ほとんどない。それでも人は、真実を知りたがる。そこには、本当の自分がいるからだ
—岩井志麻子さん(作家)
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執筆者
Yasuhiro Togawa