奇しくも劇場公開直後に3.11が起き、全国600ヶ所での上映という社会現象を巻き起こした『ミツバチの羽音と地球の回転』から4年。2011年の原発事故の前から一貫して「核・被ばく」を描いてきた鎌仲ひとみ監督の最新ドキュメンタリー映画『小さき声のカノン』が遂に完成しました!

 “核をめぐる三部作”として国内外で高い評価を受けた『ヒバクシャ —世界の終わりに』『六ヶ所村ラプソディー』『ミツバチの羽音と地球の回転』につづく新たな第一歩となる本作は、2011年の福島原発事故、そして1986年のチェルノブイリ原発事故後を、心を揺らしながらも生き抜こうと前を向く母親たちが主人公です。普通の主婦たちが「泣いていても何も変わらない」と勇気をもって声をあげ、自分たちの暮らしや子どもたちの命を守ろうとする姿がいきいきと描かれています。

 さらに、事故から28年を経てなお、事故の影響下にあるベラルーシの今を描きながら、二つの国で“事故後を生きる”人々を通じ、観る側も、原発や環境問題について考えさせられる内容になっています。

 公開決定にあたり、鎌仲監督は「今、私たちは謙虚に命に向き合わなければならない時代に生きています。誰もが小さな存在だけれども、小さくあることこそを大切にしたいという思いでこの映画を作りました。映画が、一人でも多くの悩みや揺らぎの中に生きるお母さんたちに届きますように」とコメントしています。

 トピックとしては、本作製作費用と宣伝費用のために、先日まで実施していたクラウドファンディング※による寄付金が約573万円に上りました(2014年6月1日から同9月28日まで実施)。国内外を問わず、多くの賛同者から寄付金が寄せられており、本作への関心の高さが伺えます。 ※クラウドファンディング実施先 → https://motion-gallery.net/projects/littlevoicecanon

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執筆者

Yasuhiro Togawa