大林宣彦監督を師事している太田隆文監督が、今から31年前の”1983年”を舞台に、新作の青春映画『向日葵の丘−1983年夏』の製作を決定。大林監督の新作『野のなななのか』(5月17日公開予定)でも主演を務めている常盤貴子を主演に迎え、昭和の懐かしい風景を残す静岡県島田市でオールロケを敢行する!

バブル直前の1983年は、東京ディズニーランドが開園し、ファミコンやカロリーメイトなどが発売され、
”義理チョコ”という言葉が流行語になるなど、日本人の日常生活が大きく変わった年。
携帯はなく、黒以外の固定電話がようやく選べるようになった時代で、DVDもまだなく、CDが発売される2年前。レコードレンタル店が出始め、若者は皆、カセットに録音してウォークマンで聴いていた時代。

太田監督は、この1983年に注目し、「2013年」と、常盤貴子さん演じる多香子が高校生だった「1983年」という時代を見つめることで、友達や親子の絆の大切さを描く。

日本版『ニュー・シネマ・パラダイス』とも言える内容で、常盤演じる主人公が、1983年に、一緒に映画館に入り浸り、町を巻き込んで8ミリ映画を作った高校時代の友達の余命を知り、青春時代を回想し、ふるさとに戻るというストーリー。

また、太田監督は、『転校生』、『時をかける少女』、『さびしんぼう』の“尾道三部作”で知られる大林宣彦監督に師事し、小さな田舎町を舞台(『ストロベリーフィールズ』は和歌山県田辺市、『青い青い空』は静岡県浜松市、『朝日のあたる家』は静岡県湖西市)に、涙と感動の青春映画を撮ってきた。日本人が持つ原風景を取り込み、名もなき町の魅力を最大限に伝えた感動作は、ロケ地市民を中心にファンを増やしている。今回は、以前通って、木造の駅、素朴なプラットフォーム、古い電車、木で作られた塀など、昭和の風景が残されている町並みとして強く記憶に残っていた静岡県島田市をロケ地に選んだ。

常盤の高校時代の友達役に、田中美里と藤田朋子、3人の高校時代役に、オーディションで選ばれた芳根京子、藤井武美、百川晴香、脇に別所哲也や津川雅彦などのベテラン勢を迎え、来年春の公開に向け、島田市で撮影が開始される。

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=52069

執筆者

Yasuhiro Togawa