ジェーン・バーキン主演『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ』がデジタル・リマスターで再上映!
『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ』————この作品は、今を遡ること34年前の1976年3月、パリで初公開された。
セルジュ・ゲンズブールの初監督作品であり、“エルメスのバーキン”としてのちに有名となったジェーン・バーキンの代表作である。
フランスで公開されるや、そのスキャンダラスな内容と映像から、イギリスを始め海外では発禁映画となり、日本でもフランス公開から遅れること7年後の1983年に初めて公開された。しかし日本初公開時は、その描写のきわどさから性的場面は修正されるとともに、原語のフランス語でなく英語版で上映されたため、オリジナル版ではなかった。
それから更に12年後の1995年にようやくフランス語ヴァージョンが公開されることになり、この時も修正が加えられたが、多くのファンに賞賛され、大ヒットした。
そして15年後の2010年、ついに今回オリジナル・ヴァージョンがデジタル・リマスター版でリバイバルされることとなる。
時代は変わっても、この作品が多くの人の心を捉えるのはセルジュ・ゲンズブールという時代の最先端を駆け抜けた才能と、ジェーン・バーキンという永遠に輝きを失わない女優のすばらしさはもちろんのこと、スキャンダラスな内容と裏腹に、肉体だけではないピュアな恋愛風景が描かれているからではないだろうか。
それに、フランス映画界の名優であるジェラール・ドパルデュー(『あるいは裏切りという名の犬』『シラノ・ド・ベルジュラック』)やミシェル・ブラン(『仕立て屋の恋』『プロスペローの本』)が出演しているのも興味深い。
ご覧になった方々のそれぞれの心に、寄せては返すさざなみのように、静かな感動がきっと訪れるだろう。
※PAL原版でのDLP上映となります。
本作品はPALマスター使用により上映時間が35mmプリントでの上映と異なりますが、
内容に一切の改変はしておりません。
新宿武蔵野館90周年記念作品
6/5(土)より、新宿武蔵野館にてレイトショー公開!!
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執筆者
Yasuhiro Togawa