構想16年。在仏30年にして今尚、現役の舞踏家・岩名雅記(いわなまさき)、73歳による、パリ、東京、福島を舞台にした171分に及ぶ渾身の衝撃作『シャルロット すさび』は、10月6日(土)より、新宿K’s cinemaにて公開いたします 。

岩名雅記は、慶応義塾大学経済学部卒業後、ドラマ演出を目指して東京放送(TBS)に入社。2年半で同社を依頼退社し、以降俳優として、劇団人間座、劇団三十人会など演劇世界に身を置く。同時に東京俳優生活協同組合に所属して、1970年代前半には『イナズマン』シリーズのウデスパー役など連続テレビ映画や外国映画の声優として活動した。30歳にして単独でソロ舞踊を開始。1988年秋にパリに移住。舞踏家としてのみならず、2004年より映画製作を開始。初監督作品『朱霊たち』(07)がロッテルダム国際映画祭で公式選考、ポルトベロ国際映画祭では最優秀映画賞受賞など欧米8つの映画祭で公式上映され、一躍、鮮烈デビュー。その後、『夏の家族』(10)、『うらぎりひめ』(12)など、精力的な映画製作に取り組み、待望されて5年、遂に最新作が完成。海外での人気は高く、アクロス アジア国際映画祭2018(イタリア) 公式招待、オルタネイティブ国際映画祭2019(キプロス共和国)公式招待に続いて、この度、3つ目の国際映画祭公式招待となる、ポルトベロ国際映画祭2018(イギリス)での公式招待が決定いたしました。

1996年から始まった「ポルトベロ国際映画祭」は、当時斜陽化しつつあるイギリスの映画界のアンチテーゼとして、新しい多様な才能を発掘する場所として始動。『ザ・ストーン・ローゼズ:メイド・オブ・ストーン』のシェーン・メドウズ監督や『シャーロック・ホームズ』シリーズのガイ・リッチー監督もこの映画祭で初めて紹介され、今や「ヨーロッバ最大のインディペンデント映画のための映画祭」(英国「インディペンデント紙)に成長。今年で、第23回開催を数える今年、『シャルロット すさび』は、現地時間の9月15日に上映される。
初監督作品『朱霊たち』が2009年に上映された際には、最優秀映画賞受賞を獲得しただけに、今回も期待が寄せられている。

■岩名雅記(いわなまさき)監督コメント■
英国では最大、屈指のインディーズ映画祭であるポルトベロ国際映画祭に再び公式招待を受けました。年々「インディーズ」の意味が矮小化されていく中で、「英国の最後の良心」ともいうべきポルトベロはユニークで多様性のある映画を上映できる稀有な映画祭です。さらに、今回の作品は171分という長尺ですが、映画祭の制約を軽々と超えて上映してもらえるのは嬉しい限りです。


■ストーリー■
現代のパリ。自身のアート活動に深くのめり込んだために前妻スイコを失った日本人パフォーマー・カミムラ(以後<K>)は、以前のようにシンバルを使ったパフォーマンスが出来ないでいた。初夏のある午後、Kは公演に使う板ガラスを買うため、パリ13区、トルビアックにあるガラス店を訪れ、日本人の女主人・朝子に出会う。何故かほろ酔いの朝子。同じ日、突然の雨で、メトロ構内に入り込んだKが見たのは、大勢の人々の視線にさらされるイタリア人の美しいフリークスの女性・シャルロットだった。「夢で逢いましょう」と告げるシャルロット。その晩、Kはシャルロットとのエロティックなサイドショーの夢をみる。パリ、東京、福島。未来とも終焉ともつかない、心のおもむくままの旅が始まる――。

監督・脚本:岩名雅記
出演:クララエレナ・クーダ(シャルロット)/成田護(カミムラ)/高橋恭子(朝子)/大澤由理(スイコ)
企画・製作:Solitary Body/2017年/日仏合作/171分/白黒+パートカラー/16:9/デジタル撮影
配給: Solitary Body HP:http://www.iwanabutoh.com/film/susabi/indexJP.html