エミール・クストリッツァ監督の9年ぶりとなる最新作『オン・ザ・ミルキー・ロード』が9月15日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほかにて全国公開致します。
カンヌ国際映画祭の最高賞・パルムドールを2回、ベルリン国際映画祭 銀熊賞、ベネチア国際映画祭 銀獅子賞を受賞と、世界三大映画祭を制したエミール・クストリッツアの9年ぶりの最新作である本作。監督・脚本だけでなく出演もつとめ、ヒロインに全世界で大ヒットを記録した『007 スペクター』(15)でボンドガールに抜擢された“イタリアの宝石”モニカ・ベルッチを迎えました。圧倒的なエネルギーと、予測できないストーリーで描かれる、戦争が終わらない国を舞台に、運命の出会いを果たしたミルク運びの男と美しい花嫁の壮大な愛の逃避行の物語。戦争の悲しさ・愚かさを描きながらも、その中に情熱的な恋、狂騒のダンス、温かいユーモアが詰め込まれた、エミール・クストリッツァの到達点と呼べる作品です。エミール・クストリッツァが率いる人気バンド”ノー・スモーキング・オーケストラ”のメンバーであり、監督の実子でもあるストリボール・クストリッツアが手がける強烈なバルカン・ミュージックが全編を彩る点も注目です。

今回解禁となったのは、モニカ・ベルッチ演じる「花嫁」が登場する本編シーン。
セルビア人の父とイタリア人の母を持つ「花嫁」は、ローマから父を探しに来た時に戦争に巻き込まれ、難民キャンプで暮らしていた。そんな中、主人公であるコスタと結婚し、兄・ジャガとダブル結婚式を行うという夢を叶えるため、ジャガの結婚相手を探していたミレナは、「花嫁」を見い出し、難民キャンプを訪れる。
難民キャンプで、花嫁は毎日同じ映画を観て涙を流して暮らしている。第11回カンヌ国際映画祭でパルムドールを獲得したミハイル・カラトーゾフ監督の『鶴は飛んでいく』(57/旧邦題『戦争と貞操』)だ。
その姿が別室のモニターに映され、様子を見ているミレナたちは思わずその美貌にみとれてしまう。「英国人の将軍が、花嫁のために殺人を犯した」という驚きのエピソードを聞かされる。「花嫁」の圧倒的な美貌と、彼女に心を奪われた男たちの危険性を感じさせるシーンから、この後のストーリーは予測できない展開へと進んで行く。

シーンが切り替わり別の本編映像では、ダンスを踊る「花嫁」、コスタ、ミレナが映し出される。ジャガの花嫁になるべくミレナにつれてこられた村で、「花嫁」は主人公・コスタと運命的な出会いを果たす。敵国と戦争をしていた村は休戦協定を結び、そんな奇蹟のような知らせに村人たちは大騒ぎ。狂騒の音楽が鳴り響き、3人は楽しげに踊ります。

モニカ・ベルッチは今回、エミール・クストリッツァ監督作品に初出演。監督としてはもちろん、ラブストーリーの相手役も演じたクストリッツァ監督についてモニカは、「人としての幅が広くて、まるで人生を丸ごとガリガリとかみ砕いているような人」と表現。「本当に生命力に満ちた人で、時々、彼のエネルギーについていくのが大変なほどです。彼と仕事をするのは、特別な経験ですし、挑戦でもありました。」「自分の作品にこれほど没頭している監督の撮影に参加するチャンスですから、こちらの気構えも相当なものです。このような撮影では、退屈することなどありません。まるでつむじ風に巻き込まれたようでした。」と本作の撮影を振り返った。

「花嫁」というキャラクターに関しては、その描かれ方に驚いたそう。「特に、それが男性によって書かれたことに驚きました。女性のすべての側面から、「花嫁」を描写しているのです。魅惑的で、保護者のようであり、人間的で、母性に満ち、ナイフで殺すような極端な行動も辞さず、けれども、危険に陥ったり、自制を失うと見せる少女のような脆さも持っている。それでも、すぐに勇気を取り戻し、命を投げうってもコスタを救おうとする。彼女は、男性の夢の女性ですね。」と語った。

普段、国際的なスターをほとんど起用しないことで知られているクストリッツァ監督。今回のモニカ・ベルッチの起用に関して、「彼女の今までの作品は、彼女の存在感を十分に引き出していたとは言えません。私は、彼女をもっと遠くの境地に、なごやかな画風であるアンティミスム風のやり方で、より奥深いレベルまで連れて行きたかったのです。彼女がそれを受け入れてくれたことは光栄ですし、素晴らしい仕事をしてくれました。」とその演技を絶賛した。

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