第 69 回カンヌ国際映画祭 主演女優賞受賞した『ローサは密告された』が7月下旬より、シアター・イメージフォーラムほかにて全国順次公開致します。

先日、終了した第70回カンヌ国際映画祭ではドイツの名匠ファティ・アキン監督の「In The Fade」でダイアン・クルーガーに主演女優賞がもたらされました。
そんなカンヌの主演女優賞作品と言えば、ミニシアター界の名作が粒ぞろいなのです!

1980年代中盤から盛り上がったミニシアター映画。ハリウッド大作だけでなく、世界各地の映画が観られるのもミニシアターの良さでした。
カンヌ国際映画祭の女優賞・男優賞受賞作の日本公開作品は映画ファンにとって、見逃せない作品ばかりです。『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のビョークや『ピアニスト』のイザペル・ユペールなど、主演女優の圧倒的存在感で観客を魅了してきた作品ばかりが並んでいます。近年でも、賞レースを賑わせたトッド・ヘインズ監督の傑作『キャロル』のルー二―・マーラも、主演女優賞を受賞しました。

【主なカンヌ国際映画祭主演女優賞】
1991年 イレーヌ・ジャコヴ 『ふたりのベロニカ』(クシシュトフ・キェシロフスキ監督/フランス=ポーランド)
1993年 ホリー・ハンター 『ピアノ・レッスン』(ジェーン・カンピオン監督/オーストラリア=ニュージーランド=フランス)
1994年 ヴィルナ・リージ 『王妃マルゴ』(パトリス・シェロー監督/フランス=イタリア=ドイツ)
1996年 ブレンダ・ブレッシン 『秘密と嘘』(マイク・リー監督/イギリス)
1999年 エミリー・ドゥケンヌ 『ロゼッタ』(ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督/ベルギー=フランス)
2000年 ビョーク 『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(ラース・フォン・トリアー監督/デンマーク=ドイツ)
2001年 イザベル・ユペール 『ピアニスト』(ミヒャエル・ハネケ監督/フランス=オーストラリア=ドイツ)
2002年 カティ・オウティネン 『過去のない男』(アキ・カウリスマキ監督/フィンランド=ドイツ=フランス)
2006年 ペネロペ・クルスほか6名 『ボルベール』(ペドロ・アルモドバル監督/スペイン)
2007年 チョン・ドヨン 『シークレット・サンシャイン』(イ・チャンドン監督/韓国)
2009年 シャルロット・ゲンズブール 『アンチクライスト』(ラース・フォン・トリアー監督/デンマークほか)
2010年 ジュリエット・ビノシュ 『トスカーナの贋作』(アッバス・キアロスタミ監督/フランス=イタリア)
2011年 キルステン・ダンスト 『メランコリア』(ラース・フォン・トリアー監督/デンマークほか)
2013年 ベレニス・ベジョ 『ある過去の行方』(アスガー・ファルハディ監督/フランス=イタリア=イラン)
2014年 ジュリアン・ムーア 『マップ・トゥ・ザ・スターズ』(デヴィッド・クローネンバーグ監督/アメリカほか)
2015年 ルーニー・マーラ 『キャロル』(トッド・ヘインズ監督/アメリカ=イギリス)

このリストを見るだけでもわくわくしてしまう主演女優賞作品。派手さではなく、演技で認められた実力派女優たちの名前が並んでいます。一度見たら忘れられない、彼女たちの素晴らしい演技で、映画史に残る名作が数多く生まれてきました。そして、2016年にフィリピン映画界初の主演女優賞を獲得したのが『ローサは密告された』のジャクリン・ホセ。この作品の演技を名優ドナルド・サザーランドは「超一流の演技だ!」と絶賛しました。7月下旬に公開する本作は見逃せません!!!!

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=57116