Bunkamuraル・シネマにてウォン・カーウァイ監督特集開催決定
Bunkamuraル・シネマにて、ウォン・カーウァイ監督の名作4本がスクリーンに甦る特別上映企画、<ウォン・カーウァイ特集>の開催が決定いたしました。
「その時、ふたりの距離は0.1ミリ。57時間後、僕は彼女に恋をした」
88年に監督デビュー、94年作の『恋する惑星』でタランティーノ監督をはじめ全世界から絶賛を集めて大ヒットを記録、ここ日本でも、その後のミニシアターブームを牽引する名匠となったウォン・カーウァイ。ラテン・アメリカ文学への憧憬がもたらす独特の浮遊感と、まるで残された愛の制限時間を思わせるような時制/日付/数字への強いこだわり、どこまでもロマンティックなセリフ、一貫した美意識が感じられる撮影/美術/衣裳、そして意表を突く天才的な選曲センス…観る者を虜にする名作の数々は、今も色褪せず新たなファンを生み出しています。
そんなウォン・カーウァイ監督がファッション界へ与えた影響が色濃く見られるのが、Bunkamuraル・シネマで現在上映中のドキュメンタリー映画『メットガラ ドレスをまとった美術館』。本編中にはウォン・カーウァイが登場し、さらにはファッション・デザイナーのジャン=ポール・ゴルチエが、監督の映画『花様年華』から受けた影響を語るシーンもあります。
永遠に色褪せない、4つの恋物語がスクリーンに甦る
Bunkamuraル・シネマではこの『メットガラ ドレスをまとった美術館』の公開を記念し、映像から溢れ出る美的感覚と永遠のきらめきで私たちを刺激し虜にし続けるウォン・カーウァイ監督の名作4本を限定上映。再びスクリーンで出会う人はもちろん、はじめてその世界観に触れる人も必見の特集上映企画です。
[企画名] 『メットガラ ドレスをまとった美術館』公開記念
ウォン・カーウァイ特集
[上映期間]2017年5月27日(土)~6月9日(金)
[会場] Bunkamura ル・シネマ
(東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura 6F TEL:03-3477-9264)
http://www.bunkamura.co.jp/cinema
[料金] ¥1,200均一(『メットガラ~』の半券提示で¥1,000、学生の方も¥1,000)(税込)
協力:アスミック・エース株式会社
[上映作品]『恋する惑星』、『天使の涙』、『ブエノスアイレス』、『花様年華』
■恋する惑星
1994年/香港/103分/Blu-ray 監督・脚本:ウォン・カーウァイ
撮影:クリストファー・ドイル/アンドリュー・ラウ 美術:ウィリアム・チャン
出演:トニー・レオン/フェイ・ウォン/ブリジット・リン/金城武/ヴァレリー・チョウ
彼女にふられた警官223番は、彼女のことが忘れられず、自分の誕生日に賞味期限を迎えるパイナップルの缶詰を買い続けている。金髪の女性に恋をしてみるが、麻薬の運び屋として取引に失敗した彼女もまた疲れ果て、そっけない。どん底にいる2人は、行きずりの一夜を過ごす。同じころ、ハンバーガー・ショップの新入り店員フェイは、夜食を買いに来た警官633番と出会う。淡い恋心を抱いた彼女は、ある日偶然手に入れた彼のルーム・キーを利用して勝手に部屋の模様替えを始めて…。クランベリーズの「ドリームス」のカバー曲のメロディとともに、ウォン・カーウァイの名を知らしめた出世作。気まぐれで、魅力的な運命にもてあそばれるラヴ・ストーリーの傑作にして、全世界熱狂のミラクル・エンタテイメント・ムービー!
■天使の涙
1995年/香港/99分/Blu-ray 監督・脚本・製作総指揮:ウォン・カーウァイ
撮影:クリストファー・ドイル 美術・衣裳:ウィリアム・チャン
出演:レオン・ライ/ミシェル・リー/金城武/チャーリー・ヤン/カレン・モク
殺し屋とパートナーのエージェントは、仕事以外では顔を合わせない。エージェントは殺し屋に対して密かな恋心を抱いていたが、ある日、殺し屋は突然姿を消してしまう。その後、殺し屋はかつて行きずりの関係にあった金髪の女と出会うが、彼女の気持ちに応えることなく、彼は再び彼女の元から去っていく…。一方、エージェントが住むマンションの管理人の息子モウは、夜な夜な他人の店に入り込んで勝手な商売を楽しむ日々を送っている。そんなある日、未だ失恋の傷が癒えない女に恋をするが…。『恋する惑星』で予定していたエピソードをもとに作り上げたもうひとつの恋物語。惑星から堕ちてきた天使たちの、切なく、愛しく、涙ぐましい恋が疾走する──『恋する惑星』に続く、ハートブレイク・エンタテイメント・ムービー。
■ブエノスアイレス
1997年/香港/96分/Blu-ray 監督・脚本・製作:ウォン・カーウァイ
撮影:クリストファー・ドイル 美術・編集:ウィリアム・チャン
出演:レスリー・チャン/トニー・レオン/チャン・チェン
激しく愛し合いながら、荒野のハイウェイで突然の別離を迎える恋人たち。その痛みを振り切るように仕事に熱中する男の元に、傷付いた恋人が帰ってくる。閉ざされていた心が通い合う瞬間、柔らかな光が至福の時を包む。しかしやがて二人を襲う癒しがたい渇き。愛するほどに傷つき、傷つくほどに求め合う魂の彷徨の中で、男はひとりの青年に出会い、再生への道を歩き始める。本作はカンヌ国際映画祭の最優秀監督賞を受賞。今年のアカデミー賞®作品賞に輝いた『ムーンライト』の監督も本作からの影響を語る傑作。フランク・ザッパ、アストル・ピアソラ、カエターノ・ヴェローゾら天才たちの音楽も映画を彩る。アルゼンチンを舞台に、ウォン・カーウァイの新たな航海が時空を超えてたどり着いた、至福と絶望と再生の絶対温度!
■花様年華
2000年/香港/98分/Blu-ray 監督・脚本・製作:ウォン・カーウァイ
撮影:クリストファー・ドイル/リー・ピンビン 美術・編集・衣裳:ウィリアム・チャン
出演:トニー・レオン/マギー・チャン
1962年、香港。新聞社の編集者であるチャウと、商社で秘書として働くチャン。二人は同じアパートに同じ日に引越してきて、隣人になる。やがて二人は、互いの伴侶が不倫関係にあることに気づき、次第に時間を共有するように。誰にも気づかれないよう、慎重に会っていた二人。家庭を持つ貞淑な男と女は戸惑いつつも、強く惹かれ合っていくのだった。誰にも言えない秘密を包み込む紫煙、ナット・キング・コールのバラッド、そしてなんといってもチャイナドレスの美しさ──今作でトニー・レオンがカンヌ国際映画祭最優秀男優賞を、そして撮影と美術/衣裳が評価され高等技術院賞を受賞。英BBCが昨年発表した「21世紀の名作映画トップ100」リストで、あらゆる名作を差し置いてなんと第2位に輝いた、永遠の愛の物語。