『ゆれる』『ディア・ドクター』『夢売るふたり』の西川美和監督が、『おくりびと』以来7年ぶりの映画主演となる本木雅弘を迎え、直木賞候補となった自らの小説を映画化する最新作『永い言い訳』(アスミック・エース配給)が10月14日(金)より公開になります。

人気作家の津村啓こと衣笠幸夫(きぬがささちお)(本木雅弘)は、妻・夏子(深津絵里)が旅先で不慮の事故に遭い、親友とともに亡くなったと知らせを受ける。まさにその時、不倫相手と密会していた幸夫は、世間に対して悲劇の主人公を装うことしかできない。そんなある日、妻の親友の遺族——トラック運転手の夫・陽一(竹原ピストル)とその子供たちに出会った幸夫は、ふとした思いつきから幼い彼らの世話を買って出る。子供を持たない幸夫は、誰かのために生きる幸せを初めて知り、虚しかった毎日が輝きだすのだが・・・

主人公の幸夫役に『日本のいちばん長い日』『天空の蜂』での演技が高い評価を得て、昨年度日本アカデミー賞最優秀助演男優賞等を受賞した本木雅弘。その他ミュージシャンの竹原ピストル、池松壮亮、黒木華、山田真歩、堀内敬子、深津絵里など、屈指の実力派俳優が脇を固め、ひとときも見逃したくない緊張感と豊かさにあふれた映画空間を創り上げます。

この度、『永い言い訳』が10月6日に開幕する第21回釜山国際映画祭の「A Window of Asian Cinema」部門に招待されることが決定しました。西川監督にとっては、初めての招待となります。
釜山国際映画祭は1996年の創設から近年に至るまで、急速に規模を拡大、成長している国際映画祭です。2015年は75か国302作品が上映されました。また日本映画の招待も多く、昨年は是枝裕和監督『海街diary』がガラプレゼンテーションで、他にも黒沢清監督『岸辺の旅』行定勲監督『ピンクとグレー』橋口亮輔監督『恋人たち』など日本から20作品が上映されました。その一方で、2014年に釜山市の映画祭への政治介入が問題となり、一時は存続も危ぶまれていましたが、それに対して全世界の映画人が反発、昨年「I Support BIFF」と題した支援キャンペーンを展開し、今年5月に晴れて映画祭の実施が決定しました。その支援者の中には、西川美和監督やその師匠の是枝裕和監督も支援者として名を連ねていました。

西川監督は、10月8日に釜山へ向け出発、現地9日での上映に登壇し、Q&Aを行います。

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執筆者

Yasuhiro Togawa