『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』のローランド・エメリッヒ監督が史実をもとに手がけ、昨年のトロント国際映画祭にて話題をさらった映画“Stonewall”(原題)が、邦題を『ストーンウォール』、アット エンタテインメント配給で今冬に新宿のシネマカリテほかにて公開することが決定しましたのでここにお知らせいたします。そして今回、日本版予告編と少年の愛を表現したブルーの美しいビジュアルも解禁とさせていただきます。

本作品は、1969年に起きた実際の事件【ストーンウォールの反乱】を基に描いた人間ドラマ。当時<精神病>とされ忌み嫌われていた同性愛者たちの憩いの場<ストーンウォール・イン>というN.Y.のグリニッジ・ビレッジにあるゲイバーを舞台に、インディアナ州からやってきた青年ダニーの目を通し、社会的に認められないことに傷付きながらも必死で自分の居場所を探そうとひたむきに生きる少年・青年たちとその時代を、その生活や心情を通して、史実に基づき、丁寧に、時に痛烈に描いた意欲作です。

監督は、『インデペンデンス・デイ』シリーズ、『デイ・アフター・トゥモロー』『GODZILLA』などのSF超大作を世界的にヒットさせ、絶望的な崩壊に立ち向かうアメリカ人を描き時代の寵児となったローランド・エメリッヒ。自身もゲイをカミングアウトしている彼が<ホームレスの40%がセクシュアル・マイノリティの若者である>という統計に衝撃を受け、この映画の製作に興味を持ったことが本作のそもそもの始まり。エメリッヒ監督は「自分自身がゲイだから、すべての疑問に自分が答えられると思った」と語っています。

インディアナの田舎街から、N.Y.のゲイの街クリストファー・ストリートに単身やってくるピュアな青年ダニーを演じるのは『戦火の馬』『17歳のエンディングノート』のジェレミー・アーヴァイン。そのストリートで美貌を武器に体を売り、自分と同様の身寄りのない男娼のキッズたちをとりまとめるギャングのリーダー、レイを演じたのは、共演者が口をそろえてその才能を賞賛する新星ジョニー・ボーシャン。ダニーが憧れ惹かれていくハンサムで聡明な活動家トレバーを、『ベルベット・ゴールドマイン』『マッチポイント』のジョナサン・リース・マイヤーズがカリスマ的な魅力で、ゲイバーの経営者でギャングのエドを『ヘルボーイ』『ムーン・ウォーカーズ』のロン・パールマンが有無を言わさぬ重圧感たっぷりに、それぞれ演じています。
ヒッピーカルチャー、反戦運動や公民権運動の昂まり、ストーンウォール暴動の2ヶ月後にウッドストックが実施され、やがて世界に影響を与える1960年代後半のアメリカの空気感も活き活きと再現され、 “I Say A Little Prayer”や“Venus”、“Crackerjack”、“A Whiter Shade of Pale”、“it’s your thing”、“Just Be Yourself pretenders”などの魅力的なヒットサウンドも当時の様子を彩ります。

事件の舞台となったゲイバー<ストーンウォール・イン>は、オバマ大統領により、今年の6月に国定文化遺産保護地域に指定されたばかり。LGBTプライド月間での演説で彼は「自由と平等の理想を持続する現実に変えるために、レズビアンとゲイとバイセクシュアルとトランスジェンダーのアメリカ国民およびその同盟者たちはストーンウォールの客たちから米軍の兵士たちまで、その歴史の次の偉大な章を懸命に書き続けてきた」と発言しています。

本作品の日本版予告は、ローランド・エメリッヒ監督本人からも「Great!」と太鼓判をいただいた渾身の出来!

予告編::https://youtu.be/rLB59nr_qOw

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執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa