『海炭市叙景』(10’/熊切和嘉監督)、『そこのみにて光輝く』(14’/呉美保監督)に続く、孤高の作家・佐藤泰志原作の函館三部作最終章『オーバー・フェンス』がこの度、
9月17日(土)にテアトル新宿他全国公開します。(配給:東京テアトル+函館シネマアイリス(北海道地区))
原作者・佐藤泰志が執筆活動を諦めかけた頃、函館の職業訓練校にて過ごした自身の経験を基に執筆し、生涯最後の芥川賞の候補となった同名小説を、『マイ・バック・ページ』『味園ユニバース』など闇を抱えた人間たちに柔らかな光を与える名手・山下敦弘監督が映像化。キャストは、主人公・白岩役にオダギリジョー、白岩と恋に落ちる女性・聡(さとし)役に蒼井 優、白岩と同じ職業訓練校の生徒・代島役に松田翔太など豪華キャストが出演。ほか脚本に高田亮、音楽に田中拓人、撮影に近藤龍人、照明に藤井勇と国内外で高く評価された『そこのみにて光輝く』のスタッフ陣が再集結。邦画界を支えるスタッフ・キャストが圧倒的な底力で紡いだ、美しく壊れかけた男と女の愛の物語が誕生しました。

そしてこの度、先日、第21回釜山国際映画祭「アジア映画の窓」部門への正式出品が発表され、国内外問わず注目されている本作の待望の予告編と本ビジュアルが完成しました!
予告編は、妻と別れて函館に戻ったアラフォー男 白岩が通う、鬱屈とした職業訓練校の様子から始まります。
オダギリジョーのオリジナルナレーション「あの頃の俺には何もかもわずらわしかった。ただ働いて、ただ死んでいく。それが残りの人生だと思っていた——」と白岩の生活を物語ります。

そんな白岩が、鳥の求愛ダンスをする風変りなホステスの聡(さとし・蒼井優)に出会う。その後、一気に大人の男と女の生々しい恋愛模様が描かれ、2人の暗闇での激しいキスシーンが解禁となったほか、最終日に撮影を行い、オダギリ、蒼井共に、計算を超えた、俳優である以前の人間と人間のぶつかり合いになったと語る2人の激しいケンカシーンも解禁。聡が自分の怒りを抑えられず物を投げつけ、窓ガラスを割るほどのケンカです。聡が「もう死んだみたいに生きなくてもいいと思ったのに」と泣き叫んだり、白岩が元妻(優香)に再会した直後に歩きながら号泣しうずくまったり…むきだしの恋愛模様が描かれます。そしてラストは「狂った俺とお前と、一緒に生きてみないか」と白岩から聡にあてた、それでも共に生きていきたいと願う、白岩(オダギリ)のナレーションが流れます。
また、職業訓練校の生徒たち—白岩に一緒にキャバクラを経営しないかと誘う代島(松田翔太)のほか、ワケありの過去を持つ原(北村有起哉)、冷めた目つきでタバコを吸う森(満島真之介)なども登場。

「もっとうまく生きられるはずだった」と思いながら生きるこじれた大人たちの恋愛と日常に期待感を煽られる予告編が完成しました。
最後、「オーバー・フェンス」(フェンスを越える)のタイトルの背景には、函館の青空を羽ばたく鳥の姿。こじれた大人たちは、自身の見えないフェンスを越えることができるのか— どうぞご期待ください。

予告編::https://www.youtube.com/watch?v=FxGkhS54bCg

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執筆者

Yasuhiro Togawa