長い歴史と豊かな文化を誇るパキスタン・イスラム共和国の街ラホール。
過激なイスラーム原理主義の影響で音楽文化は衰退し、危機感をつのらせた伝統音楽家たちは聴衆を取り戻すため、畑違いのジャズに挑戦し世界に打って出た!
映画『ソング・オブ・ラホール』が8月13日(土)より、渋谷ユーロスペースほか全国にて公開となります。

70年代後半のイスラーム化の波、そして90年代に台頭し始めたタリバンによる歌舞音曲の破壊という環境下で細々と音楽活動を続けてきた、“サッチャル・ジャズ・アンサンブル”。伝統音楽を駆使して最も有名なジャズナンバーの一角と言われている「テイク・ファイヴ」のカバーに挑戦する。民族楽器シタールのひねた音色とタブラの独特なリズム感を中心に奏でるアンサンブルの世界観は聴く者を魅了し、この曲をきっかけに、伝説のジャズミュージシャン、ウィントン・マルサリスやでイヴ・ブルーベックにも評価されニューヨークにて世界最高峰のビックバンドとの共演を果たす。

この熟練音楽家たちの大胆な挑戦が奇跡をもたらした珠玉の音楽ドキュメンタリーにピーター・バラカン、いとうせいこうら、各界著名人から大絶賛コメントが到着した。
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◇彼らのセンスのよさと圧倒的な演奏力に脱帽します。この映画で、彼らの画期的な試みがまず海外で成功を収め、そして逆輸入で国内でも認められるのを見ると誰でも拍手を送りたくなるはずです。  
ピーター・バラカン(ブロードキャスター)

◇サッチャル・ストゥーディオ・オーケストラ『テイク・ファイヴ』をYou Tubeで見た時はぶっ飛んだし、すぐ彼らのパキスタン・ジャズを聴いた。それがどのくらいの社会的音楽的困難の上にあったか、『ソング・オブ・ラホール』でしみじみと知った。                      いとうせいこう(作家・クリエーター)

◇竹笛(バーンスリー)吹きのバーキルはいう。「自分が痛みをかかえていないと魂のこもった演奏はできない」と。たしかにそうだ。音楽を奪われ続けてきた彼らほどソウルフルな演奏家は他にいない。    山田五郎(評論家)

◇パキスタンから「でも、やるんだよ!」一人一人が超絶テクニシャンなのに、生きるのだけが不器用なオヤジ音楽家たち。その内なる思いを知るにつけ胸が熱くなる!!     サラーム海上(音楽評論家・DJ・中東料理研究家)

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執筆者

Yasuhiro Togawa