メキシコ・グアナファト市で7月22日から7月31日まで開催中のグアナファト国際映画祭(GIFF2016)の国際長編部門に出品された濱口竜介監督『ハッピーアワー』が最優秀作品賞を受賞致しました。

 同映画祭は毎年約11万人の来場者を誇るメキシコ有数の映画祭です。
今回の同映画祭は日本が初めて特別招待国となり、多数の日本人ゲストが出席、また1960〜70年代特集上映が行われるなど、日本が注目されている中での受賞となりました。

本作の主な出演者はまったくの演技未経験者も含む「KIITOアーティスト・イン・レジデンス2013『濱口竜介 即興演技ワークショップ in Kobe』」の参加者たち。濱口監督が生活拠点を移した神戸市内を主なロケ地とし、2014年5月から12月まで撮影がおこなわれ、総尺5時間17分の大作として完成。

 本作に関する海外での受賞は、ワールドプレミアとなった2015年ロカルノ国際映画祭での最優秀女優賞(田中幸恵、菊池葉月、三原麻衣子、川村りら)及び脚本スペシャルメンション、ナント三大陸映画祭『銀の気球』賞及び観客賞、シンガポール国際映画祭最優秀監督賞、D’Aバルセロナ・オトゥール国際映画祭観客賞に続き5度目、最優秀作品賞は初の受賞となります。
2015年12月に公開した撮影の地神戸の元町映画館と東京シアター・イメージフォーラムでは連日満席となる大ヒットとなり、2016年8月24日からは、ニューヨーク近代美術館(MoMA)で海外初の劇場公開も控えています。( http://www.moma.org/calendar/film/1659 )

尚、濱口竜介は同作品にて第66回芸術選奨新人賞を受賞。

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<濱口竜介監督のコメント>
この度、『ハッピーアワー』がメキシコ・グアナファト映画祭のインターナショナル・コンペティションおいて最優秀作品賞(”Best International Feature Narrative”)を受賞いたしました。私も実際にメキシコの地を踏んで、目まぐるしさと大らかさの共存に大いに驚いたところですが、また一つとても大きな驚きを味わいました。5時間17分の映画は、目まぐるしい映画祭の中で、確かに、大らかに受け入れられたようです。この受賞が、また一人二人とより多くの観客と『ハッピーアワー』が出会うきっかけとなってくれたら、こんなに嬉しいことはありません。メキシコに、グアナファトに感謝を捧げます。ムーチャス・グラシアス!

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執筆者

Yasuhiro Togawa