モノクロスタンダードの映像が、郷愁を誘い、ノスタルジックに私達の心を打つ。地球の裏側、南米ウルグアイから届いた映画を愛するすべての人に贈る本作『映画よ、さようなら』。
かつて喝采を浴びた由緒あるシネマテークが、観客の減少と財政難で閉鎖の危機に陥り、終焉を迎える。

勤続25年、映画ひと筋に生きてきた独り身のホルヘの映画人生が幕を降ろす。そしてホルヘが踏み出す新たな人生の始まり。原題「La Vida Útil」には、「耐用年数(賞味期限)」という意味と「生き甲斐のある人生」という意味を持つ。

映画をフィルムで鑑賞することも少なくなった現代に於いて、まさに映写機の耐用年数と共に、デジタルシネマへと変化している今、個性を輝かせてきた単館系映画館も減少の傾向にある。だからこそ『映画よ、さようなら』を通して、人生を豊かにしてくれるような映画と出会える映画館について考えたい。この度、公開を記念し、日本のシネマテークである東京国立近代美術館フィルムセンターの岡田秀則さんを迎え、トークの開催が決定しました。映画の収集・保存のほか、上映企画と奔走する岡田さんは、まさに『映画よ、さようなら』の主人公ホルヘの映画愛と重なってしまいます。

この映画にはたくさんの発見があると断言された岡田さんのトークを本作とともに是非楽しんでいただければと思っております。

日時:7/17(日)午前10:00の回上映後  新宿K’s cinema
ゲスト:岡田 秀則さん(東京国立近代美術館フィルムセンター主任研究員)

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=55019

執筆者

Yasuhiro Togawa