原案は、ブリザード・エンターテイメントが提供する世界的人気ゲーム「ウォークラフト」。3部作の世界的大ヒットを受け新たに製作された大規模多人数同時参加型オンラインRPG(MMORPG)「ワールド・オブ・ウォークラフト」は、2008年に登録者最多のMMORPGとしてギネス世界記録に認定。メガホンを取るのはデヴィッド・ボウイの息子であり、『月に囚われた男』、『ミッション:8ミニッツ』で独自の世界観を描き高い評価を得たダンカン・ジョーンズです。
剣と魔法の世界“アゼロス”を舞台に、人間、オーク、ドワーフ、エルフなど、数多の種族が、国や一族、そして愛する者を守るために生死をかけた決断を迫られる壮大な物語が圧倒的なクオリティで描かれています。

日本公開を前にアジアをはじめとした国・地域で公開を迎えている本作は、すでに全世界興収が約395億円を突破し、ゲーム原作映画の全世界興収ランキング第1位を奪取。『バイオハザード』シリーズで最も興行成績を上げている『バイオハザードIV アフターライフ』の約309億円、アンジェリーナ・ジョリー主演作『トゥームレイダー』の約286億円という記録を、インターナショナルの公開日からわずか3週間ほどで抜き去るという快挙を成し遂げております!(6月21日時点、BOX OFFICE MOJO調べ)

ゲーム原作作品として歴史的な記録を生み出している本作ですが、その特徴として挙げられるのが主人公デュロタンの存在。オーク族に属するデュロタンは、人間やドワーフ、エルフたちを侵略する側であるにも関わらず、平和を願い、仲間たちから“反逆者”として扱われながらも人間と共存する道を選択するという、これまでにない独自のキャラクターとして描かれています。
「さまざまな作品で悪役として描かれる事の多いオークのイメージを一新させたデュロタンというキャラクターを、独自の世界観を持つ方に表現していただきたい」と考えていた配給会社が、世界中にファンを持つ大人気ゲームシリーズ「サイレントヒル」をはじめ、他に類を見ないキャラクターを描き続けているデザイナー・伊藤暢達さんに熱烈オファーをしたところ、伊藤さんは快く快諾。さらに、普段見る事の出来ない、キャラクターの制作過程を特別に撮影させていただきました。

伊藤さんは、「群衆の中でデュロタンだけ人間側に付いているという絵が、このキャラクターを伝えるのに一番わかりやすいかと思うので、本来はオーク側にいるはずなのに、デュロタンだけ真逆を向いているという構図で描き進めようかと思います。」と説明し、手書きでイラストを制作。描く際のポイントについては「極端なくらいマッチョなキャラクターなので、それを出すのに最初は手間取いました。肩のボリュームがキャラクターの一番の特徴なので、誇張気味にしたつもりです。」とコメントし、制作方法についても丁寧に説明しながら伊藤さんの手によって描かれたデュロタンは、キャラクターの持つ重厚感、デュロタンならではの精悍さを感じさせます。

『ウォークラフト』
「サイレントヒル」などを手掛けるデザイナー伊藤暢達が映画『ウォークラフト』の主人公、オーク族のデュロタンを描いてみた
メイキング特別映像
公式YouTube:https://youtu.be/tGYoseMSHoM 

— 伊藤暢達(Masahiro Ito) —
1972年生まれ。1999年発売のビデオゲーム「サイレントヒル」の背景、クリーチャーデザインを担当。続くシリーズ作「サイレントヒル2」、「サイレントヒル3」の制作にも参加し、クリーチャーデザイン、アートディレクション、背景等を手がけた。
2006年、イラストレーター、デザイナーとして独立。以降数多くの作品に参加している。

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=54617

執筆者

Yasuhiro Togawa