『秒速5センチメートル』(07年)、『言の葉の庭』(13年)など意欲的な作品を数多く作り出し、次世代の宮崎駿、ポスト細田守と称される気鋭のアニメーション映画監督・新海誠。美しい色彩で描かれるすれ違う男女の物語を、精緻な風景描写と繊細な言葉によって紡ぎ出す“新海ワールド”は世代や業界、国内外を問わず大きな刺激と影響をおよぼしてきました。さらに歴史のある米エンターテインメント誌『Variety』の「2016年の注目すべきアニメーター10人」に日本人として初選出され、日本だけにとどまらず、世界からも高い評価を受けています。その新海誠監督待望の新作となる『君の名は。』でキャラクター原案を務めるのは、『心が叫びたがってるんだ。』(15年)などで新時代を代表するアニメーターとなった田中将賀。また、『千と千尋の神隠し』(01年)など数多くのスタジオジブリ作品を手掛けた、アニメーション界のレジェンド安藤雅司を作画監督に迎えるなど、日本最高峰のスタッフがスタジオに集結しました。また音楽を、その唯一無二の世界観と旋律で、熱狂的な支持を集めるロックバンドRADWIMPSが担当することでも話題を呼びました。
声の出演として、三葉が夢の中で見た男の子【瀧】役に同世代の中でひときわ異彩を放つ演技派俳優神木隆之介。そして、自らの運命に翻弄されていくヒロイン【三葉】役を、オーディションでその役を射止めた上白石萌音が務めます。

そしてこの度、神木隆之介、上白石萌音とともに新海誠最新作に参加する、新たな豪華キャストが発表されました!
都会に住む男子高校生【瀧】(声:神木隆之介)が密かに想いを寄せるバイト先の先輩【奥寺ミキ】に、現在NHK大河ドラマ「真田丸」に出演中で、2011年にはスタジオジブリの「コクリコ坂から」(監督:宮崎吾朗)で主人公【海】の声を担当した、女優長澤まさみ。
田舎町に住む女子高校生【三葉】(声:上白石萌音)の祖母【宮水一葉】を、国民的ドラマ「家政婦は見た!」シリーズを筆頭に、女優として幅広く活躍しながら、1975〜1994年まで約20年間「まんが日本昔ばなし」で語りと登場人物の声を担当するなど、数多くのアニメ作品への出演、ナレーション経験をもつ声のベテラン市原悦子に決定いたしました!
神木、上白石、長澤、市原の4人は今作が初共演!!アフレコ時には、市原悦子の声を聞きながら育ったという、長澤まさみ&上白石萌音のシンデレラガール(※)2人が、声の共演に感極まっている様子が伺えました。緻密で繊細な瑞々しさが特徴の新海誠作品に、趣と厚みを持つ豪華キャストが参加することで、どのような化学変化が起きるのか、ますます期待が高まります!
 また、三葉の妹【四葉】を人気子役の谷花音、三葉の同級生【勅使河原克彦】をMen’s non-noの人気モデル成田凌が担当、三葉の同級生【名取早耶香】を悠木碧、瀧の同級生【藤井司】を島?信長、同じく瀧の同級生【高木真太】を石川界人といった人気実力を兼ね備えた若手声優の3人がそれぞれ声を担当することも、発表されました。
(※)長澤まさみ、上白石萌音はともに“東宝シンデレラオーディション”をきっかけに女優デビュー。

長澤まさみ:奥寺ミキ(おくでら みき)役
≪コメント≫
新海監督の作品は本当に映像が美しくて、リアルとアニメが混在している感覚がすごく心地良いです。「君の名は。」も映像を一目観ると、一気に空気感が身体の中に入ってきて、とても気持ち良い作品だと思います。“奥寺先輩”は主人公の憧れの女の人なので、大人っぽさ、優しさ、少しだけ色っぽさが出るよう意識しました。子供の頃から「家政婦は見た!」と「まんが日本昔ばなし」がとっても大好きで、今回市原さんのお声を聞くのを楽しみにしていました。市原さんと一緒の作品に参加できて、本当に光栄に思います。

市原悦子:宮水一葉(みやみず ひとは)役
≪コメント≫
アニメはどこまでも広がる世界で、そこに声の出演として参加するのは昔から大好きでした。「君の名は。」では、都会に憧れる若者たちの、掴みどころのない、希望と不安で揺れているような心情が描かれていて、それは私には新鮮で触れたことのない世界でした。分からないからこそ面白くて、やってみたいと思い、受けさせていただきました。新海監督はとても丁寧に演出され、出演者にもとても優しく、これも驚きでした。

新海誠監督

≪コメント≫
「憧れの先輩」役である奥寺ミキは、ともすれば記号的表現の範囲内でも収まってしまうキャラクターです。しかし長澤まさみさんの声は、そこに圧倒的な実在感と共感性を吹き込んでくれました。劇中では描いていない奥寺の陰影までも感じさせるような長澤さんの芝居に、すべての「男の子たち」はどぎまぎさせられてしまうはずです。
 ヒロインの祖母である宮水一葉は、先祖から受け継がれてきた知恵と神秘の語り部であり、同時に孫に昔話を語る身近なお祖母ちゃんでもあります。「まんが日本昔ばなし」に育てられた僕にとっては、ですから一葉役は市原悦子さん以外にあり得ませんでした。最高の語りをいただけました。ご出演いただけたことに、ひたすら感激しています。

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執筆者

Yasuhiro Togawa