害獣駆除会社で働くユクの元に、多額の報酬の仕事の依頼が舞い込む。鉱山として栄えた山間の村で「白鹿様」と言われる珍しい鹿を秘密裏に撃つこと。普通の鹿と異なる存在が悪い噂になることを危惧し、過疎化した村を切り捨てようとする町の役人の苦肉の策だった。しかし実際には害のない生き物を殺すことに葛藤を抱えながら村に向かい、村の女・ナギやその婚約者・羊市と出会う・・・
文明がもたらした歪みに揺らぐ人々を、日本の原風景の中で捉えた、自然と人間の物語。同時に圧倒的な自然と神々しい生命の映像叙事詩。劇場デビュー長編「すみれ人形」がカルトな人気となった金子雅和の長編映画監督2作目。撮影も金子が手がけ、山々や源流や自然が織りなす光と陰を静かに圧倒的な力強さで捉えている。

2016年7月16日(土)〜7月30日(金)テアトル新宿 緊急決定

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=54708

執筆者

Yasuhiro Togawa