読売新聞は、内村光良さんによる長編小説『金メダル男』の連載を4月4日(月)付の夕刊より開始します。掲載は夕刊に連日、6月下旬まで全60回の予定です。また、本紙連載をまとめた文庫本を6月25日(土)に中央公論新社より発売します。
本作は、内村さんが2011年に行った一人舞台「東京オリンピック生まれの男」をもとにしたエンターテインメント作品。舞台での評価も「すごかった」「心が揺さぶられた」など好評を博したストーリーを、今回、自らが脚本・監督・主演を務める映画(10月22日公開)の原作として、あらたに全編書き下ろします。
異分野発の文芸作品が社会的な注目を集めるなか、昨年は「小説を書いてほしい芸人1位」に選ばれた内村さん(※2015年7月「R25」にて掲載)。自身が歩んできた道のりの集大成ともいえそうな珠玉のストーリーを、内村さんの筆がどう描きだすのか、乞うご期待です!

◆あらすじ
 1964年、長野県塩尻市生まれの主人公・秋田泉一は、小学校の徒競走での一等賞をきっかけに数々の大会で金メダルを獲得し、中学に入る頃には「塩尻の金メダル男」と呼ばれるようになる。しかし、それは、“一番を目指し続ける”という波瀾に満ちた人生の始まりにすぎなかった——。
 何度失敗しても決してめげず立ち上がり、さまざまな一等賞にとことん全力で向かって、思いがけずチャンスをつかんでいく泉一。その一途な生き方が、高度経済成長からバブル崩壊を経て平成の今日まで、時代風景と重ね合わせながらユーモアたっぷりに描かれます。

◆著者メッセージ
この小説執筆のお話をいただいたとき、とても驚きました。日々多くの方々の手に届く新聞に、自分の文章が毎日載るなんて、夢にも思いませんでした。原稿の執筆は2015年夏から半年以上かけ、試行錯誤を繰り返しながら今なお進めています。執筆時間の確保が一番大変で、セミの声をききながら時間が足りなくて気が狂うかと思ったこともありました。
本作は、映画の脚本作りや撮影、編集と同時並行して書き進めていくという、通常にはない新しい試みにもなりました。映画のワンシーンをヒントに小説では、少し違った世界を描いたり、その逆もあったりで、相乗効果があったように思います。
主人公と同世代の人には懐かしく、若い世代の人には新しいエンタメストーリーとして楽しんでもらえたら嬉しいです。

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執筆者

Yasuhiro Togawa