東京芸術大学大学院修了作品『イエローキッド』(2010)が話題を呼び、宮?将、ももいろクローバー出演の短編『NINIFUNI』(2011) が、スイス・ロカルノ国際映画祭、オランダ・ロッテルダム国際映画祭で特別上映されるなど、国内外から圧倒的注目を浴びる新鋭 真利子哲也監督の、満を持しての商業映画デビュー作『ディストラクション・ベイビーズ』の制作が決定!! 脚本は真利子哲也と共に、『桐島、部活やめるってよ』で日本アカデミー賞優秀賞を受賞し、若い世代の感情の揺らぎを掬いとる名手 喜安浩平が担当。世界が注目する新鋭監督のもとに日本映画界を担っていく若き俳優たちが集結した。

喧嘩をくり返す主人公・泰良(たいら)を演じるのは、唯一無二の存在感を放ち続ける柳楽優弥(25)。泰良に興味を持ち、近づく若者・北原裕也に、多数の話題作に出演し変幻自在の活躍を見せる菅田将暉(22)。泰良たちの遊びに巻き込まれる少女・那奈(なな)に、女優・モデルと垣根を越えた活躍をみせる小松菜奈(19)。姿を消した兄・泰良を探す弟・将太に、デビュー以降、進化し続ける村上虹郎(18)。
“恐るべき若者”芦原泰良。彼との出会いによって、若者たちの欲望と狂気が目を覚ます—。彼らは生きたいのか死にたいのか。観る者に得も言われぬ新たな感情を呼び覚ます青春映画の誕生です!

撮影は2016年5月28日にクランクイン、オール松山ロケを敢行し、6月14日に夏編の撮影がアップ。
10月に秋編の撮影を予定しており、完成は今冬を予定しております。

【芦原泰良役:柳楽優弥コメント】

暴力描写がとても多く、少年犯罪という問題をベースにストーリーが進んでいきます。
このような題材がオリジナル脚本から劇場で公開されることをとても嬉しく思います。
監督、スタッフ、キャスト皆が同じベクトルを以ってこの作品を盛り上げ、
撮影現場には常に危うさと興奮がありました。仕上がりを観るのが、とても楽しみな作品です。
劇中、泰良が発する言葉は五つほどしかなく、その代わりに行動や表情から彼の気持ちが表現出来ていれば嬉しいです。そして、真利子組で泰良という役を演じる事が出来て光栄でした。

【北原裕也役:菅田将暉コメント】

撮影中、「阿修羅みたいだったよ」とニヤニヤしながら真利子監督が近づいてきてくれた事がありました。
その時、衣裳合わせで「新しい菅田将暉を撮りたい」と仰ってくれた監督の顔が浮かび僕もニヤニヤしました。
とても心地良い瞬間でした。
人間の欲深さと衝動に反比例して実感していく現実への恐怖に僕自身答えが見つかりませんでした。
でもそれが人間なんだと改めて感じました。
そんな真利子組ならではの生々しさとファンタジーの両方を兼ね備えた新世界に生きるのが楽しくて仕方ありませんでした。

【那奈役:小松菜奈コメント】

今回、那奈を演じさせてもらいました。
私と名前が同じこの那奈は心の底から悪い女です。
お芝居中はとにかく無我夢中で記憶がそんなにありません。
それほど気持ちに余裕がなく過酷なもので逃げたいと思う事も多々あった事は間違いないです。
「孤独・恐怖・嫉妬・欺瞞」全くポジティブ要素が一つもない役…
でも、やりがいはとてもありました。

【芦原将太役:村上虹郎コメント】

駆け抜ける初夏。台本を一枚づつめくるにつれて覚えた高揚感は尋常ではなく、やっとこさ出逢えた同年代とガチガチに共演できる現場はこれまでになく熱いものでした。
磯臭い造船所に足を掴まれ、社会の埃にまみれて葛藤を強いられる将太の見る世界はどこもかしこも善意を感じられない。泰良を演じられた柳楽さんを筆頭に、僕らは伊予弁と共に生き、吠える。

【監督:真利子哲也コメント】

偶然、松山にある呑み屋で興味深い人と知り合い、取材をはじめ脚本を書き進めて、およそ3年かかりましたが、ようやくここまできました。
オリジナルの題材で困難はあったものの今このタイミングでしかできないこともたくさん盛り込んで、集まった役者やスタッフをはじめ、愛媛で知り合った仲間たちも混じえて、ゼロから作り上げた手応えがあります。目下、痺れるような仕上がりになるように完成まで油断せずやっていこうと思う次第です。

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執筆者

Yasuhiro Togawa