この度、生涯を育種家として邁進し、現在の「こしひかり」の基となる 種や小麦の代表品種<農林10号>(昭和10年)を生み出した 稲塚権次郎の生涯を描いた映画『NORIN TEN〜稲塚権次郎物語』が 富山でのロングラン上映を経て、遂に全国公開の運びとなりました。

稲塚権次郎は、大正7年農商務省に入り、秋田県・陸羽支場(大曲)に配属され 「水稲農林1号」を始め、育種家としての道を邁進。現在国内で流通する <こしひかり>の品種の基や小麦農林10号は、今世界の小麦の70%以上が 「NORIN TEN」の後継種です。そして彼の品種が晩年「世界の飢餓を救った」 事実も判明。
そんな彼の生涯を戦中〜戦後の時代を背景にドキュメンタリータッチで描く 本作のメガホンをとったのは、権次郎と姻戚関係にある稲塚秀孝。
これまで「二重被爆」(2006年)、「フクシマ2011〜被曝に晒された人々の記録」
(2012年)、 「書くことの重さ〜作家 佐藤泰志」(2013年)など ドキュメンタリー作品を数多く手掛ける監督。

主人公・稲塚権次郎の青年期を演じるのは、無名塾の次代を担う松崎謙二。
そして晩年の権次郎を日本の名優・仲代達矢が演じ、圧倒的な存在感を放ちます。
仲代が主宰する無名塾(今年創立40年)から20名余の俳優が出演する他、 権次郎の母に藤田弓子、妻役に野村真美、権次郎の親友役に益岡徹といった
ベテラン俳優が脇を固めます。

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執筆者

Yasuhiro Togawa