世界の映画祭を席巻する、アニメーション作家・中村智道、3 作品が初の劇場公開!
あなたの眠った脳が目覚める
本物の天才は、いつの時代も周縁から現れる。

映像作家・中村智道は、美術学校に行くこともなく岡山県で独学で絵を描いていた。次第に映像制作にシフトし、再び独学で映像作品を作り始める。初めて作ったアニメーション作品『ぼくのまち』がイメージフォーラムフェスティバルで奨励賞を受賞。
この作品を見た映画評論家・トニー・レインズが絶賛したことから、世界の映画祭への窓が開かれた。
しかしながら、彼の作品はほとんど日本で上映されておらず、日本人にとって「未知の映像作家」であり続けている。繊細に表現された生物と壊れかけた世界が不思議に融合し、見る者の意識を拡張していく。1 本 1 本は短い作品ながら、そこに詰まっているものは膨大だ。
ここに初めて、劇場公開が実現する。

中村智道の作品には,理解を超える表現が散りばめられていて,それが不思議な力を持って,見る人の意識を揺さぶるように思えます.彼の心のなかに刻まれたさまざまな体験と記憶が,彼が手に入れた独自な表現の方法と結びついて,ノズルのような口から噴出したり滲みだしたりしているからでしょう.
でも,それらは,ただの突飛な表現ではなく,普通には想像のつかない時間や空間の広がりのなかで,人が生きることにからまる,さまざまな思いや感情を超えてゆく運動を繰り広げています.その根底には,きわめて特殊なのかもしれませんが,彼の個人的で誠実な生きかたがあります.
この 3 作品は,彼が納得がゆくまで,いずれもたいへんに長い時間をかけて作られたものでした.
─ 小倉正史(美術評論家)

『ぼくのまち』(2007/カラー/17 分) 監督:中村智道 音楽:上山朋子
中村智道、アニメーション作家デビュー作。2004 年より重度の適応障害に陥った中村が、自分の精神の断片を拾い集めるべく、まず PC を覚えるところから開始した、まさに初心者作品。イメージフォーラム・フェスティバルにて受賞後、映画評論家トニー・レインズに認められ、バンクーバー国際映画祭に正式招待。その後も評価され、世界各地で上映された、原点にして傑作。

『蟻』(2008/カラー/11 分) 監督:中村智道 音楽:坂本竜一
アニメーション作品 2 作目。『ぼくのまち』にて、採用しなかったシーンと、新たに作られたシーンを再編集して作られた。『ぼくのまち』と同時に制作されたが、より実験色は強く、ドイツのオーバーハウゼン国際短編映画祭をはじめ、ポンピドゥーセンター、ソフィア王妃芸術センター等、各地の美術館でも発表された、コンテンポラリーアニメーション。

『天使モドキ』(2014 年/カラー/13 分) 監督:中村智道 音楽:石田雅彦 池田洋子 声:大西千夏 他
中村初のストーリー作品。特殊な視点から構築されるストーリーは、難解ながら、話題となった。フィンランド、タンペレ映画祭で、インターナショナルコンペティション部門にノミネートされた他、イメージフォーラム・フェスティバルに正式招待。
予告編はこちら https://www.youtube.com/watch?v=y8BC27X7Vls

2015 年 8 月 8 日(金)〜8 月 21 日(金)※火曜定休
土日 18:30 より/平日 19:00 より <料金> 一律 1,000 円
☆トークイベント開催!☆
8/8(土)18:30 の回上映後 中村智道×七里圭(映画監督)
8/9(日)18:30 の回上映後 中村智道×本田孝義(映画監督)
※該当回をご覧頂いた方がご参加頂けます。※ゲストは予告なく変更となる場合がございますのでご了承下さい。

執筆者

Yasuhiro Togawa